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ウクライナのザポリージャ原発に攻撃、火災 クレバ外相「ロシア軍は攻撃やめよ」

World Now 更新日: 公開日:
ザポリージャ原発敷地内のカメラ映像。煙を出して燃える建物と、砲撃とみられる閃光が見える
ザポリージャ原発敷地内のカメラ映像。煙を出して燃える建物と、砲撃とみられる閃光が見える=同原発の公式YouTubeチャンネル

ロシアの激しい攻撃にさらされているウクライナで、南東部にあるザポリージャ原発がロシア軍に攻撃され、火災が起きたとウクライナ当局が3月4日、明かした。

ザポリージャ原発はヨーロッパ最大級の原発で、原発があるザポリージャ州はクリミア半島から侵攻したロシア軍が接近し、攻撃が激しさを増している。

ザポリージャ原発敷地内の映像。煙を上げて燃える建物などが激しく砲撃されているのがわかる=同原発の公式YouTubeチャンネル

クレバ外相はTwitterで次のように訴えた。

「ロシア軍はヨーロッパ最大の原子力発電所であるザポリージャ原発をあらゆる方向から攻撃している。すでに火災も発生した。爆発すればチェルノブイリ原発事故の10倍にもなる!ロシアは即座に攻撃をやめ、消防隊員が現場に立ち入ることができるようにし、安全地域を設けなければならない」

ウクライナ緊急事態省によると、出火したのは5階建ての教育訓練棟で、3~5階部分が焼けた。けが人はいなかった。

CNNが原発広報担当者の話として伝えたところによると、放射能レベルは正常で、戦闘は一時停止しているという。

また、広報担当者は、消防隊員が現場に到着した際、ロシア軍に立ち入りを阻まれたという。

国際原子力機関(IAEA)はザポリージャ原発での火災について、「ウクライナから『重要な設備』には影響がないと報告があった」とTwitterで明かすと同時に、今後警戒レベルを上げるとしている。

ウクライナではソ連時代の1986年、原発事故としては史上最悪のチェルノブイリ原発事故が起きた。それでもウクライナは原発依存度は世界3位と高く、各地に原発が点在しているため、ロシア軍侵攻による危険性が懸念されている。

ザポリージャ原発
ザポリージャ原発=同原発のホームページから