ロシアの激しい攻撃にさらされているウクライナで、南東部にあるザポリージャ原発がロシア軍に攻撃され、火災が起きたとウクライナ当局が3月4日、明かした。
ザポリージャ原発はヨーロッパ最大級の原発で、原発があるザポリージャ州はクリミア半島から侵攻したロシア軍が接近し、攻撃が激しさを増している。
クレバ外相はTwitterで次のように訴えた。
「ロシア軍はヨーロッパ最大の原子力発電所であるザポリージャ原発をあらゆる方向から攻撃している。すでに火災も発生した。爆発すればチェルノブイリ原発事故の10倍にもなる!ロシアは即座に攻撃をやめ、消防隊員が現場に立ち入ることができるようにし、安全地域を設けなければならない」
Russian army is firing from all sides upon Zaporizhzhia NPP, the largest nuclear power plant in Europe. Fire has already broke out. If it blows up, it will be 10 times larger than Chornobyl! Russians must IMMEDIATELY cease the fire, allow firefighters, establish a security zone!
— Dmytro Kuleba (@DmytroKuleba) March 4, 2022
ウクライナ緊急事態省によると、出火したのは5階建ての教育訓練棟で、3~5階部分が焼けた。けが人はいなかった。
CNNが原発広報担当者の話として伝えたところによると、放射能レベルは正常で、戦闘は一時停止しているという。
また、広報担当者は、消防隊員が現場に到着した際、ロシア軍に立ち入りを阻まれたという。
国際原子力機関(IAEA)はザポリージャ原発での火災について、「ウクライナから『重要な設備』には影響がないと報告があった」とTwitterで明かすと同時に、今後警戒レベルを上げるとしている。
#Ukraine tells IAEA that fire at site of #Zaporizhzhia Nuclear Power Plant has not affected “essential” equipment, plant personnel taking mitigatory actions.
— IAEA - International Atomic Energy Agency (@iaeaorg) March 4, 2022
ウクライナではソ連時代の1986年、原発事故としては史上最悪のチェルノブイリ原発事故が起きた。それでもウクライナは原発依存度は世界3位と高く、各地に原発が点在しているため、ロシア軍侵攻による危険性が懸念されている。