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なぜ今ヴィーガンに注目? ベジタリアンとの違いは? 「ゆる」「ときどき」の人も

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東京・世田谷のビーガンレストラン「CORI.」で撮影したサラダ=北村玲奈撮影
東京・世田谷のビーガンレストラン「CORI.」で撮影したサラダ=北村玲奈撮影

私たちの食事は地球環境と密接に関わっている。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2019年の報告書は、人為由来の温室効果ガスのうち、世界の食料システム全体から出るものが21~37%を占めると推計している。

中でも牛や豚、鶏などを育てる畜産業は大量の土地や水、飼料が必要で、牛などが出すゲップには二酸化炭素(CO₂)よりも温室効果の高いメタンガスが含まれており、環境への影響が大きいと指摘される。これらの点から、ベジタリアンやヴィーガンなどの肉食を控える食生活を行うことは気候変動の影響を緩和する可能性が高いと指摘している。

また、今年9月に初開催された国連食料システムサミットの科学グループがまとめた文書によると、化石燃料由来のCO₂排出がたとえ今すぐ全て止まっても、食料システムが現状のままだと地球温暖化を2度以下に抑えるという目標は達成できなくなるという。

日本の21年版環境白書は「食における環境負荷を意識すること」が重要とし、「肉類は(穀類や野菜などと比べて)少ない消費量に対して、全体の約4分の1を占めるほどの高い温室効果ガス排出原単位となっている」と指摘。「何を食べるのかという選択、そして食べた後の配慮の積み重ねが環境に大きな影響を与えていると言える」と明記した。

地球環境のために肉の消費を抑える人もいれば、「動物愛護のため」「健康を考えて」など、菜食をとりいれる理由は人によって様々だ。週1回実践する「ゆるヴィーガン」、柔軟に菜食の機会を選択する「フレキシタリアン」と呼ばれる人も増えてきている。

観光庁によると、国・地域ごとの菜食者の人口比率は、インド約28%、台湾約14%、ドイツ約10%、英国約5%などで日本は約4%。中南米を含むアメリカ大陸では年平均約3.9%、欧州で約2.6%増えている。英調査会社の20年の調査では、年齢が若いほど動物性食品を控える傾向が強まるという。

日本でも同様の傾向が見られ、1993年に設立された日本ベジタリアン協会代表の垣本充さん(76)は「当初は健康維持を目的とする高齢者が中心だった。その後動物福祉に関心を持つ人も加わり、今では環境問題をどうにかしたいという若い世代が会員に増えてきた」と話す。
同協会などによると、ベジタリアンやヴィーガンの語源はvegetable(野菜)ではなく、ラテン語のvegetusで「心身ともに健康で生き生きしている」という意味だという。

もちろん、菜食に切り替えさえすれば健康になり、環境問題が一挙に解決するわけでもないことには注意が必要だ。国連食料システムサミットの文書でも、「主に肉や乳製品などの動物性たんぱく質の消費による温室効果ガス排出を削減しなくてはならないことは明らか」だとしつつ、地域によっては動物性たんぱく質を取ることが健康の面から望ましく、また家畜が持続可能な食料システムを構築する上で重要な役割を果たすということも指摘している。