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フィンランド「ベビーボックス」2021年はこんな中身 赤ちゃんに国から届く贈り物

ノルウェー通信
2021年度版フィンランドの「育児支援パッケージ」の内容物=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela
2021年度版フィンランドの「育児支援パッケージ」の内容物=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela

寝袋、ウールの衣服、ブランケット、タオル、絵本、ぬいぐるみ、お風呂用温度計、爪切りハサミ、歯ブラシ、ヘアブラシ、コンドーム、生理ナプキン、ブラパッド…。全部で約50種類のグッズが入っている。

育児支援パッケージの中に入っている品々=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela
育児支援パッケージの中に入っている品々=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela

スリーピングバックはライトグレーが背景となった「海の生き物」柄だ。

現地のIltalehti紙によると、あざらしを「怖い」「暗い色が多い」と評価する人もいたが、多くの人が箱自体には満足しているよう。「私たちは誇りに思うべき。店でこれと同じ中身を買おうとすると、どれかを買い忘れるだろう。良いスタートが切れます」という声もあった。

スリーピングバッグ=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela
スリーピングバッグ=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela

外箱は簡易型のベビーベッドとしても使え、その発想力は海外から注目された。

育児支援パッケージの外箱=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela
育児支援パッケージの外箱=撮影・Veikko Somerpuro/©Kela

パッケージについては、今年のテーマは「ニュートラルと自然」。配色で特徴的なのが、ピンクや水色がほとんどないことだ。これまで同様、「女の子ならピンク、男の子ならブルー」という古典的なジェンダーバイアスを避けようとする姿勢を感じる。

KELAの広報Santtu Paananenさんは「ニュートラルな色とカラフルな色のバランスをとるようにしています」と話す。

ちなみに来年分はフィンランドでグラフィックデザインを学び、現在は日本を拠点に活動中である日本人のグラフィックデザイナー兼イラストレーターAya Iwayaさんが手がける。KELAによると、日本人によるデザインが採用されるのは初めてという。

内容物は例年より6個減った(例えばコットンの衣類、カーペット、温度計)。フィンランド市民の「エコ意識の高さ」を反映しているとみられる。

2020年度のユーザーアンケートでは「グッズの数が減ってもいいから、箱にもっと『責任』を持ってもらいたい」という回答が多かった。

環境や気候変動への負荷を少なくするよう求める反応だといい、KELAはアアルト大学と共同で箱のカーボンフットプリントを調査中だ。将来的には内容物を決める際、生産における環境負荷を優先的に考慮するという。

Santtu Paananenさんは次のように述べる。

「サステナブルで環境フレンドリーなアクションにはここ数年でさまざまな形で取り組んでいます。2006年から2017年には再利用可能なおむつも導入しましたが、市民からは使用しなかったという声が届き、使用されないのならエコフレンドリーではないということで止めました」

「他にも2010年には紙のパンフレットを廃止。オーガニックコットンの使用率を下げて、代わりにリサイクル可能な別の素材に移行しています。これまで箱全体の質と価格のバランスは五分五分でしたが、2019年以降は70%(質)対30%(価格)となっており、2022年には質が80%を占めます」

ほかにも安全性を審査する厳しい基準を設け、国際労働機関(ILO)と契約をしていない国の向上にはさらなる審査を追加している。

フィンランドの育児支援パッケージの起源は1937年。出生率の低さや妊婦の死亡率の高さという問題を解決するために発案された。

公衆衛生サービスにアクセスしやすくなったことで課題解決につながり、当時は低所得者層限定だったが、今は希望するすべての市民に贈られる。

育児支援パッケージの代わりに出産給付金を選ぶこともできる。初めての出産をした母親のおよそ95%、利用者全体の70%は、170ユーロの出産給付金よりもボックスを選ぶそうだ。そのことを意外に思わないのは、私だけだろうか。