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転換点は米同時多発テロ 日常に監視の手がかり

World Now
テロ攻撃によって破壊されたがれきの中から、救出作業が続くニューヨークの現場=2001年9月19日、浅野哲司撮影

監視の転換点となった出来事といえば2001年に米ニューヨークなどで起きた「同時多発テロ」だ。

テロを防ぐために、身体的特徴により個人を見極める生体認証の技術開発が加速し、米国などの空港では最新の顔認証技術が導入された。ICチップ内蔵型のパスポート発行が始まり、指紋といった生体認証をもとに本人を照合する出入国管理システムも導入が進んだ。人々に広がったテロへの恐怖と安全志向が、監視を新たなステージに引きあげた。

2000年代以降は、デジタル技術のさらなる発展で監視技術はめざましく飛躍した。ドローンの活用による追跡や、AIを駆使した個人の識別や行動予測もできるようになった。

さらに、インターネットやスマートフォンの普及に伴い、とくに高度な技術を駆使しなくても人々の日ごろの生活を手がかりに個人の監視・追跡が可能になった。

たとえば、インターネットの検索履歴、スマホの位置情報や通話の記録、高速道路の利用状況や道路に設けられた監視システム、交通系ICカードの利用履歴、水道や光熱などの利用状況、スマートホーム、相乗りタクシーやカーシェアリングの利用履歴といった情報からも行動や思想、人物像などが推測できる。(畑中徹)