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「あなたが世界を変えるためにやること」をジェフ・ブリッジスが教えてくれる

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語 更新日: 公開日:
安河内哲也撮影

■今週の名言

The way to change the world is through individual responsibility and taking local action in your own community.

(自分が住んでいる地域で、個人的責任を持ち行動を起こすことを通じて世界は変えられるのだ)

■名言を味わう

直訳すると「世界を変える方法は、個人的責任とあなたが属するコミュニティーである地元で行動することを通じてである」となります。

最近よく耳にする、Think globally, act locally.(世界規模で考え、地域で活動せよ)を、さらに具体化した言葉と言えるでしょう。世界を変えるには、個人の責任を大事にして、地域に根差した行動から始めようということですね。

ブリッジスは、プラスチック全廃社会を目指した環境団体の一員として活動していて、数年前にはその団体のpublic service announcement(公共広告)でナレーションを担当しました。その際、プラスチックゴミ問題についてコメントを求められて飛び出したのが、今回の一言だったのです。

大きな目標に向かってまずは足元からコツコツというのは、環境問題だけに限らず、仕事、プライベートと、どんな事柄にも該当しますよね。コロナ禍でステイホームが叫ばれる今も、ブリッジスの名言を反すうしながら、日々を過ごしていきたいと思います。

■名言の単語ピックアップ

local

その地域の、地元の(形容詞)

地元の人(名詞)

日本語でも多用する「ローカル」ですが、英単語のlocalに関しては、わかっているようで、意味や使い方がイマイチはっきりわからない、という方が実は多いのでは? 例えば、localを用いた英語の例文を今すぐ口にせよ!と突然ふられて、すらすら出てくるでしょうか……。

localのざっくりとしたイメージは「その地方特有な、一地域の」といったものです。He runs a local business.で「彼は地元で仕事を営んでいる」という意味になります。品詞としては形容詞になります。

ここで注意したいのが、日本語のローカルとの違いです。「実家は超ローカルなところにあって……」と「田舎」的に使われることがありますが、英語のlocalには田舎のニュアンスは特にありません(「田舎の」に該当する英単語としてはruralがあります)。

それよりも、自分、または話している相手、はたまた話題に上っている人や物、場所から見て地元だ、という場合にlocalを使います。ですから、例えあなたが都市のど真ん中に住んでいたとしても、「近所のコンビニでね〜」と話すのであれば、... at my local convenience store...のようにlocalを使うことができるのです。

そしてgloballyと副詞の形で既に出てきたglobalは、localと対極にあると考えていいでしょう。globalやuniversalは世界的な広がりがあるのに対してlocalは地元、地域に根差したイメージを持つ単語です。

いろいろな言葉と組み合わせて使われるlocalですが、ポピュラーなものをいくつか挙げていきましょう。

local news ある地域のニュース

日本語のローカルニュースと同じように英語でも使われます。ちなみに全国ニュースは、national newsと言います。

Our brand-new product was featured on the local news over the weekend.

(週末に我々の新製品がTVのローカルニュースで取り上げられたんだ)

*brand-newは、「新品の、真新しい、発売されたばかりの」といった意味の形容詞。newより「新しさ」が強調されている。前置詞がonなのでTVに。新聞であれば前置詞はinとなる。

local specialty 特産(品)、郷土(名物)料理

地域の名産や名物のことです。local specialtyだけでも名物料理、郷土料理を指しますが、local specialty foodと言うこともあります。名物料理は、以下のようにシンプルに尋ねることができます。

What is the local specialty (food) here?

(ここの名物料理は何ですか?)

外国を訪れたら地元の人やレストランでこう尋ねてみましょう。また、海外からのゲストに質問されたときのために、local specialtiesをパパッといくつか英語で紹介できるよう予行演習しておきたいものです。

local dialect 地域方言、里言葉

地域ごとの方言のことです。dialectとだけでも方言を意味しますが、localや、こちらも「地方の」といった意味のregional(やや形式ばった単語です)をつけたほうが、理解されやすいでしょう。

It’s been said that there are seven major local dialects in Japanese.

(日本語には大きく分けて地域の方言が7つあると言われています)

I speak Hakata-ben, one of the local dialects in Japanese.

(私は日本語の方言の1つである博多弁を話します)

local rule ローカルルール

ゲームや遊び、スポーツなどで、ある特定の場所だけで適用されるルールを「ローカルルール」と日本語でも言いますね。これは和製英語ではなく、英語でも同じように使われます。さらに、地域の規則や法律といった、もう少し硬めのニュアンスでも用いられます。

This new local rule applies to all of the parking lots in the city.

(この新しいローカルルールは、市のすべての駐車場で適用されます)

buy local 地元の品を買う

「地産地消(local production for local consumption)」というコンセプトがだいぶ浸透していますが、こういった事柄もbuy localを使って説明できます。

For groceries I try to buy local to support my community.

(自分のコミュニティーをサポートするために、食料品は地元で購入するようにしている)

localにはほかにも、local call(市内電話)のような「市内の」、local train(<各駅に停まる>普通列車)のような「普通の、各駅の」、local pollution(局地汚染)やlocal pain(局所的な痛み)のような「局地(部)の」といった意味もあります。

さらにlocalは、「土地の人、地元住民」「普通列車」などといった意味の名詞としても使われます。

I always ask the locals where to eat when I go on business trips.

(出張に行くときは、食べる場所を地元の人に必ず聞きます)

We’re on the express (train) now. You need to change to the local at the next stop.

(今私たちは急行に乗っています。あなたは次の駅で各駅<停>に乗り換える必要があります)

localと一緒に副詞形のlocally(地元で)と、動詞形のlocalize(地方化する)も覚えておきましょう。例えばbuy locallyと言えば「近場で買う」です。localizeは、最近は「ローカライズする」と日本語でも使われるようになりましたが、ソフトウェアを特定の地域で使用できるよう「現地語化する」という意味で頻出します。

We’ll help you localize your company’s website very quickly.

(御社のウェブサイトを迅速にローカライズいたします)

*localizeの名詞形はlocalization。

またlocation(位置、場所)、locality(現場、土地勘)といった関連の名詞もあります。最初は覚えなくてもいいので、どんなふうに使われるかだけでも辞書でざっとチェックしてみてください。

■名言を解剖する

The way to change the world is through individual responsibility and taking local action in your own community.

(自分が住んでいる地域で、個人的責任を持ち行動を起こすことを通じて世界は変えられるのだ)

この文の主語はthe way、述語動詞はisです。throughは「〜を通じて」という媒介を表す前置詞でしたね。だから「世界を変える方法は、〜を介してである」と言っているわけです(ただし、和訳は「方法」を訳出しないなど、意訳しています)。

「〜を通じて」の「〜」はthrough以下で説明されています。individual responsibilityは「個人の責任、自己責任」という意味です。並列の接続詞andのあとには、taking local action(地元で行動<行為、活動>すること)と動名詞が来ています。in your own communityは、「あなた自身の地域(社会)で」ということです。

■今週の1枚

飛行機から撮ったカットです。離陸直後、それとも着陸直前だったのか、そしてどの空港付近だったのか記憶は定かではないのですが……。ただ国内で、デジカメに内蔵されているミニチュアモードにて撮影したことだけは確かです。このモードだと、空から見た景色がよりミニチュアっぽく写るんです。おもちゃ感覚でいろんなモードを試しながら、その違いをすぐ確認できる機能は楽しいです!

さて次週(5月11日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、これまで登場した人物のなかでダントツの“最長老”となる、オランダの思想家、哲学者のデジデリウス・エラスムスの言葉をフィーチャーします。9つの単語から成る命令文は表面上の意味はすぐわかると思うのですが、解釈にちょっと苦労しそうです。

どうぞお楽しみに。See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。