米国目指す移民、迫真の現場取材 ボーン・上田賞にGLOBE村山祐介記者
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村山記者は特集「壁がつくる世界」(2017年10月号)で米国とメキシコの国境3200キロをたどったのをきっかけに、2作目の「『野獣』という名の列車をたどって」(18年3月号)では移民たちが乗る貨物列車のルートをさかのぼり、マラスと呼ばれるギャングに脅されて国を逃れる家族たちの命がけの旅路を描きました。3作目の「エクソダス~壁を越える移民集団」(19年5月号)では、集団化して力を持った移民集団「キャラバン」に同行。密林「ダリエン・ギャップ」を経由して米国を目指す新ルートの実態に迫りました。GLOBE+限定の数々のオリジナル記事でも、治安悪化や貧困という「負の連鎖」に絡め取られる移民の「出身国」の実情や、苦しいなかでも「できることからやっていこう」と生きる人々の生きざまを丹念に描いてきました。
村山記者は取材中、自ら動画も撮影。「報道ステーション」(テレビ朝日系)やインターネットテレビのAbemaTVでドキュメンタリー番組として放送されました。AbemaTVと共同で制作した「『野獣』という名の列車をたどって」では、一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)による「第34回ATP賞テレビグランプリ」の「ドキュメンタリー部門」で奨励賞を受賞し、新聞記者の撮影による番組の受賞は異例だと注目されました。今回の受賞でも「多様なメディア、媒体を駆使して、幅広い読者、視聴者に情報提供した報道の姿勢も特筆に値する」と評価されています。
【村山記者の取材記】人はなぜ壁を越えるのか 取材2年、見えた現実