局地的な大雨や干ばつによる食糧不足が発生することも多いアフリカ各地で、バッタやチョウの大群が発生しています。
ケニアなどのアフリカ東部では、天候不順などの影響で過去数十年で最大規模のサバクトビバッタの群れが襲来。農作物などを荒らす被害が相次いでいます。首都ナイロビから車で3時間ほど離れたムウィンギでは27日、ケニア人助手がトウモロコシやエンドウ豆の畑が広がる一帯に着くと、数十万匹のバッタが飛来していました。
群れの規模はケニアでは過去70年で最大で、隣国のエチオピアやソマリアでも過去25年で最大に。地元当局は殺虫剤などを使って対策を取っていますが、地元住民は「バッタが多すぎて、ほとんど効果がない」と憤っていました。やっかいなのは、バッタの大群は1日に100キロほど移動できるうえに、どこに向かうのか予測が難しいことです。
国連食糧農業機関(FAO)は「地域の食糧安全保障にとって大きな脅威」として、国際社会に7千万ドル(約76億円)の緊急支援を求めており、地元メディアでも連日のように群れの動向が報じられています。
一方、支局がある南アフリカのヨハネスブルクでは28日、車を運転していると茶色い縞の入ったチョウの大群が至る所で飛んでいました。
地元紙などによると、チョウはモンシロチョウの仲間とされ、毎年この時期になると、数百万匹とも言われる大群が数日かけて南西部の乾燥地帯からヨハネスブルクを経由して隣国のモザンビークなどに向かうようです。距離にして約1000キロにもなります。
私がヨハネスブルクの広場で30分ほど滞在していると、数百匹から千匹近いチョウが風に乗って次々にやってきました。草花で羽を休めてつかの間の休憩を楽しんでいるチョウもいましたが、多くはすぐに飛んでいきます。
道中で鳥に食べられたり、川や海に落ちたりするものも多いと言います。バッタと違って人間の生活にはほとんど影響がないからか、そこまで世間の注目は集めていません。チョウの大群がこの時期に大移動をする理由も、はっきりと分かっていないようです。