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WeWorkで起きたことはあまりに奇妙で、怒る気にもならない

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スクリーンを使いながら9月中間決算について話すソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=2019年11月6日、鬼室黎撮影

“The WeWork story is so bizarre we can’t even get outraged about it”
10月25日付 ワシントン・ポスト紙

数年前に初めてWeWorkが運営する事務所を訪れた時のことを、今も鮮明に覚えている。サンフランシスコのダウンタウンにある事務所は、内装がオシャレで高級感にあふれていた。こんな環境で働けるビジネスパーソンが羨ましくも思った。その後、WeWorkは急速に拡大。後にできた事務所もきれいだったが、少し大衆向けになったように思う。

35カ国以上に施設を持つまでになった同社は、単なる不動産事業を魅力的に見せ、話題のベンチャー企業の仲間入りを果たした。CEOのアダム・ニューマンはセレブ的存在になり、grandiose(尊大な)言動をするようになったという。今秋に大きなvaluation(評価額)でIPO(新規株式公開)を計画したことが成功の証しになる、と彼は思っていたようだ。ところが、IPO関連の書類が公開されると、投資専門家らがそれを検証し、大幅な赤字やリース債務など様々な構造的問題を指摘し始めた。そして、egregious(実にひどい)self-dealing(自己取引)を含むニューマンの過去の振る舞いも吟味された結果、IPOの評価額は引き下げられ、IPOの延期を余儀なくされた。

結局、IPO申請を取り下げ、ニューマンもCEOの座を追われた。まさに、この記事の言う「アメリカ史上、企業の最もspectacular implosion(劇的な自滅)」となり、一連の展開はあまりにbizarre(奇妙な)ため、get outraged(怒る)人も少ない、と指摘された。

不思議で仕方ないのは、ソフトバンクグループはWeWorkの大株主だったのに、なぜもっと早く問題に気づけなかったのか、ということだ。WeWorkのburn rate(現金支出が現金収入を超過する比率)がastronomical(桁外れに大きな)ことも知らなかったのだろうか。もし知っていたのならば、なぜIPO申請を許したのだろうか。ウォールストリート・ジャーナル紙によると、ソフトバンク幹部が今秋、WeWorkの財務を分析してかなりショックを受けたというが、何十億ドルもの投資に加え、取締役会に取締役2人を出していたのに、実態が悪化する以前は何をしていたのだろうか。私からすると、こうした点が最も奇妙である。