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「マリファナソムリエ」もいる ロサンゼルスに生まれた大麻レストラン

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ロサンゼルスにある、医療用大麻の販売所に並べられた乾燥大麻(2014年撮影)=ロイター(写真はイメージです。記事とは関係ありません)

"Cannabis restaurants are coming to California,with ‘budtenders’ and ‘flower’ service"

8月15日付 ワシントン・ポスト紙

 

2016年にカリフォルニア州で娯楽用大麻の使用を認める法案が州議会で可決され、関連する様々なビジネスが現れた。高級マリファナを通信販売する会社、マリファナ喫煙も可能なホームパーティーを開く業者、大麻入りお菓子の製造業者といった具合だ。サンフランシスコでは、大麻の宅配サービスの広告看板をいたるところで目にするほどだ。

この記事は、大麻ビジネスの次のステップについて書いている。ずばり、大麻レストランだ。このレストランでは、budtender(マリファナソムリエ)が高級料理にぴったりマッチするマリファナのstrain(種族)を客に提案するという。例えば、kush(マリファナの一種)は少しpungent(強い香りを持つ)ので、牛肉やシチューと合わせると良いらしく、またBlue Dream(別のマリファナの一種)はアイスクリームと合うそうだ。料理の材料はfarm-to-table(産地直送)で、マリファナもそうである。「意識高い系」の人びとの期待通りの品質のマリファナを提供してくれると言える。

このレストランがもう一つの提供するのは、flower serviceと呼ばれているもの。これは大麻のつぼみをシガレット状に手巻きしてテーブル脇に置いてくれるサービスだ。法的な理由でマリファナを食べ物に混ぜることはできないため、マリファナに合う料理の開発に力を入れている。

大麻を喫煙すると、食べものが一層美味しく感じられるとこのレストランのシェフは語る。レストラン評論家が来たら、たくさんの(格付けを示す)「星」を与えてくれるだろうと自信を見せているそうだ。

しかし大麻レストランを開くには、普通のレストランを開くよりも複雑な手続きや規制、配慮が必要になる。24時間警備は必須で、加えて煙を吸収するためのpricey(高価)な換気扇も必要になる。客が過剰摂取しないよう気を付けなければならず、大麻の影響は人によって異なるので、それも難しい問題である。ライセンス取得はもちろん容易ではない。店を立ち上げるには、およそ300万ドル必要だそうだ。

このレストランがあるウェスト・ハリウッド市は、複数の大麻関連の新ビジネスが始まることで、多くの観光客を引き寄せられるのではないかと期待を寄せる。すでにある大麻のdispensaries(調剤薬局)や大麻のツアーバスに加え、大麻を喫煙できるラウンジ付きアート・ギャラリーやVR(仮想現実)スペースも近い将来スタートさせる予定だという。大麻を求める観光客を引き寄せる力としては、「コーヒーショップ」で大麻の販売・使用が公認されているオランダ・アムステルダムを上回るのではないかという予想もあるという。