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共感の声が炸裂! ミシェル・オバマ回想録『マイ・ストーリー』発売記念イベント

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ミシェル・オバマさんの回顧録「マイ・ストーリー」発売記念イベントで熱いトークを交わした登壇者の皆さん。左から、山本知子さん、篠田真貴子さん、小島慶子さん、長内育子さん=村松雪絵撮影

「わかる、わかる。私と同じ」。――そんな共感と共に、世界の女性たちを勇気づけている1冊の本がある。発売後4か月で全世界1000万部突破という驚異的な数字を叩きだした米前大統領夫人、ミシェル・オバマさんによる回顧録『マイ・ストーリー』(原題BECOMING)だ。回顧録としては史上最高の売り上げを記録し、世界47言語で刊行。待望の日本語版の発売を記念し、823日には都内でトークイベントが開催された。

イベントで登壇したのは、エッセイストでタレントの小島慶子さん、元「ほぼ日」の最高財務責任者(CFO)の篠田真貴子さん、集英社のファッション誌『éclat(エクラ)』編集長の長内育子さん、翻訳を担当した株式会社リベル代表取締役の山本知子さん。会場には80人以上の参加者が集まった。

ミシェル・オバマさんの回顧録『マイ・ストーリー』(原題BECOMING)発売記念イベント(集英社主催)が発売日8月23日の夜に都内で開催された=村松雪絵撮影

人の心を溶かす「親しみやすさ」

ファーストレディーを務めた一方、2人の娘の母でもあるミシェルさん。幼い頃は治安が悪いことで知られるシカゴのサウス・サイド地区の労働者階級の家庭で育ち、名門プリンストン大学とハーバード・ロースクールで学んだ後、弁護士となりシカゴの大手法律事務所に就職したという華麗な経歴の持ち主だ。オバマ前大統領とはその法律事務所で知り合い、結婚した。

「ファースト・レディ」といえば、別世界の遠い存在のように思えるが、回想録に綴られているのは、仕事と家庭の両立やワンオペ育児に悩み、時に夫に振りまわされながらも自分が何になりたいのかを問い続け、行動する一人の女性の姿。多くの女性が体験していることと重なるせいか、本を読むと、読者はまるで友人の話を聞くような気持ちになってしまうようだ。

元「ほぼ日」の最高財務責任者(CFO)の篠田真貴子さん=村松雪絵撮影

篠田さんは「私の友達にもいそうな身近な感じ」と表現。ミシェルさんの働く母親としての葛藤、生き甲斐、充実に共感したという。「子どもを預けていて仕事は定時に帰らなければならない。昼休みに子ども達のおやつと靴下を買い、自分のお昼も買って、ヨシ!というところはリアルに感じました」

長内さんは愛をこめて「ミシェル・オバ美(オバミ)」と呼んでいることを告白。本を読み、「私の中にもミシェル・オバマがいる」と感じたという。「困った時には心の中のオバ美に聞け!」という決め台詞で会場を沸かせ、誰の中にもあるミシェルさんとの共通点が、道を切り開く勇気になることを笑いと共に伝えた。

集英社のファッション誌「éclat(エクラ)」編集長の長内育子さん=村松雪絵撮影

また、ミシェルさんも「ワンオペ育児」に苦しんだ部分については、会場内の「共感」が最高潮に。登壇者から「家のこと、全然やらないし」と声があがるとオバマ氏への辛口コメントが続出。参加者も自分の体験と重ね合わせてか、大いに盛り上がった。

行動する姿に励まされる

共感が集まったもう一つは、ミシェルさんの行動力だ。

 NGOの求人の条件が希望に沿うものではなかったため、面接で自分には何ができるかを示すと同時に、まだ学生ローンが残っているなど、生活に必要な収入を伝えて相手を納得させ、見事に希望する労働条件を勝ち取った。小島さんは「自分の価値を理解し、チャンスをつかみ取っていくところは、すごく現実的で、しなやか」と表現。また、ファーストレディーとして、教育問題や女性の機会均等などに取り組んだことについても、「大統領夫人としての知名度、権限、パワーをポジティブに使う立場に立った」とたたえ、「女性は、パワーを持つ立場になった時に尻込みしたり、出すぎて叩かれる不安を感じたりすることがある。その時に、世の中にポジティブなメッセージを伝えるために自分に出来ることは何だろうという発想で立つことは、これから責任ある立場となる女性の皆さんにとってすごく大事なことだと思います」と会場に集まった女性たちにエールを送った。

エッセイストでタレントの小島慶子さん=村松雪絵撮影

読者をとりこにするミシェルさんの「マイ・ストーリー」。翻訳に携わった山本さんは、「ミシェルさんは深い感情をものすごくシンプルな言葉で表現するので、翻訳するのが非常に難しく悩んだ」と打ち明けた。本の原題「becoming」一つをとっても、「なる」という意味には「どんどん自分が変化していく」というニュアンスもあり、どうすればミシェルさんの本意が伝わるか考え続けたという。「becoming」という言葉は、最終的に日本語には直さず、そのまま章題に。言葉の意味は、読者それぞれに委ねることにしたという。

株式会社リベル代表取締役の山本知子さん=村松雪絵撮影

イベントに参加した都内在住のコピーライター小森谷友美さん(35)は「常に自分らしい道を探していくその姿勢こそ、私も真似したいなと思いました」と晴れやかな表情で話していた。

 (取材・文・写真 村松雪絵)