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アンゴラに「中国専門デパート」 古着が倉庫の天井まで山積み

アフリカを旅する
アンゴラの首都ルアンダ近郊にある「チャイナシティー」。古着店には天井の近くまで商品が山積みされていた=6月6日、石原孝撮影

アフリカ有数の産油国アンゴラ。首都ルアンダ近郊の大通りを車で走っていると、「チャイナシティー」と書かれた看板が目についた。立ち寄ると、中国製の家電や食品などを売る店が50以上も連ねる「中国専門デパート」だった。

アンゴラの首都ルアンダ近郊にある屋外施設「チャイナシティー」=6月6日、石原孝撮影

中国の古着や中古の靴を売る店では、高さ3㍍以上ある倉庫に袋詰めされた靴や古着が山積みされていた。安い物で1万8千クワンザ(約5千円)かかる。週に1度は来るというクラウディア・シャンブンガさん(32)は「ここで買ったものを地元の市場で売っている。利益は3千クワンザくらい」と言った。

店番をしていた袁威威さん(28)は、数年前に子どもを親元に預け、中国東南部の江西省から夫とともに移住してきた。「中国はアンゴラよりも経済発展しているけど、その分インフレがひどく、生活費も高い。この国は発展途上で、古着などの需要もあり、チャンスだと思った」

彼女はポルトガル語を従業員から教わり、ほぼ毎日店番に立つ。仕事が終わると、チャイナシティーの敷地内にある共同住宅に帰る日々を送るという。ただ、「商売は順調?」と聞くと、渋い表情を見せた。

アンゴラの首都ルアンダ近郊にある「チャイナシティー」。古着店には天井の近くまで商品が山積みされていた=6月6日、石原孝撮影

2002年の内戦終結後、アンゴラは中国との関係を強化してきた。住宅や鉄道、道路、橋など、様々なインフラ事業を中国が融資し、建設してきた。17年までの融資額は400億ドル以上に上り、中国人労働者も多数移住してきた。

ところが、2014年以降に原油価格が急落し、原油収入をあてにした中国への返済計画に狂いが出た。国内景気は低迷し、袁さんの商売も期待通りにはいかなくなった。平日の昼ごろに訪れたとはいえ、チャイナシティー内にある他の店も混雑はしておらず、どことなく寂しい雰囲気だった。

長期支配を続けたドスサントス前大統領の後任として17年から国を率いるロウレンソ大統領は、多国間外交を重視。5月には日本の河野太郎外相と会談し、日本に更なる支援を求めた。

中国との蜜月関係や原油収入に頼る経済構造が変わる兆しは出ている。中国が融資し、建設した長距離鉄道の新駅舎の建設は中断し、中国企業などが建設中だった新空港は完成予定が何度も延期されている。

アンゴラの首都ルアンダの駅に止まる長距離鉄道。中国企業が整備した=6月10日、石原孝撮影

アンゴラの政府関係者は「技術力の高い日本に期待している」と話す一方、「日本の企業はなかなか来てくれない」とも話した。今月28日、アフリカ諸国への支援や日本企業のアフリカ進出などを話し合う第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が横浜市で開かれる。日本の存在感を高めるには、またとない機会になりそうだ。