文在寅大統領は12日、青瓦台の首席・補佐官会議で日本の経済報復への対応に関し「強気かつ冷静に、根本的な息の長い対策を考えるべきだ」と話した。一方、北朝鮮の相次ぐミサイルの挑発については言及しなかった。青瓦台関係者は、北朝鮮の外務省局長談話での荒々しい発言について「単語一つ一つ、語感にまでいちいち対応するべきなのか…。結局、連合訓練が終われば(米朝)実務協議をするという意思を表明するだろう」と話した。
文大統領は、先月末以来の北朝鮮の5度の挑発にも何ら言及しなかった。国家安全保障会議(NSC)全体会議も開いていない。代わりに鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長の主宰でNSC常任委員会や関係閣僚会議を開き、対応してきた。北朝鮮が挑発すればするほど政府の対応はむしろ消極的になってきている。
先月25日、北朝鮮の挑発に青瓦台は予定されていた定例のNSC常任委で「強い懸念」を示した。31日には緊急NSC常任委を開き、強い懸念とともに「徹底した対応」を強調した。しかし、北朝鮮は挑発をやめなかった。青瓦台は8月に入って3度の挑発を受け、NSC常任委ではない関係閣僚会議を開いた。10日の挑発の際はテレビ会議だった。
青瓦台としては北朝鮮の挑発に敏感に対応すれば、さらなる挑発を生み、悪循環となるという判断だろう。しかしながら、そうして対応を自制して後退するほどに北朝鮮は調子に乗ってくる。北朝鮮が韓国に対し、口にするのもはばかられるような暴言を吐いたのも、結局は弱腰の対応が招いた結果だ。それでも青瓦台は北朝鮮が対米協議に参加の意向なので幸いという態度だ。
2年前、北朝鮮の核ミサイルの挑発と米国の強硬な態度がぶつかり合い、朝鮮半島は戦争一歩手前という危機に陥った。しかしながら米国の断固とした対応と制裁強化が結局北朝鮮を協議のテーブルに引き出した。まして今の挑発は、我々に向けた単距離の威嚇だ。それでも黙っているのは、国民のプライドを大きく傷つけるものだ。
すでに北朝鮮の挑発は日常化し、米国は請求書を押し出してきている。国防部も外交部も外交安保の部署は青瓦台ばかり気にかけている。それでも青瓦台と国家安保室は北朝鮮をなだめることにばかり熱心で、むしろ硬軟の調整が必要な日韓の葛藤には強硬一色の態度を先導している。果たしてこの政府、外交安保のコントロールタワーが正常に機能しているのか疑問だ。
(2019年8月13日付東亜日報)
(翻訳・成川彩)