ブラジル国立博物館は1818年に開館したブラジルで最も古い博物館の一つ。南米大陸で発掘された最古のものとなる1万2000年前の女性「ルチア」の頭蓋骨のほか、エジプトの考古学出土品、恐竜や動植物の標本など約2000万点を収蔵していたが、その多くが失われたと報じられている。
オンライン百科事典「ウィキペディア」は5日、過去に博物館を訪れて展示物の写真を撮影した人に向け、画像を共有するデータベース「ウィキメディア・コモンズ」に写真を送って欲しいとツイッターで呼びかけた。
There were over 20 million objects inside the #MuseuNacional. Did you take a photo of any of them? Help us preserve the memories of as many as we can and add them to @wikicommons. Here's how to do it from your desktop: pic.twitter.com/jMwbj15Kg3
— Wikipedia (@Wikipedia) 2018年9月4日
「ブラジル国立博物館には2000万件以上の収蔵品がありました。それらの写真を撮っていませんか? できるだけ多くの思い出をウィキコモンズに保存できるよう、助けてください」
ネットメディアCNETによると、ウィキメディア財団エグゼクティブ・ディレクターのキャサリン・メア氏は声明で、「この努力により、私たちの世界規模のコミュニティーに世界中の人々が参加し、この悲劇から立ち直るするのを支援してほしい」と訴えている。
ロイター通信によると、ブラジルのソアレス教育相は記者団に、施設の再建と収蔵品の復元のため、連邦政府が1500万レアル(約4億円)を拠出すると述べた。またレイタオ文化相はエスタド・デ・サンパウロ紙に対し、火災は電気のショートか、もしくは紙製の手作りの熱気球が屋根に落下したことが原因の公算が大きいと語った。ブラジルには熱気球を飛ばす伝統があり、しばしば火災の原因となっている。