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まるで「迷宮」? フィンランドの地下シェルターがすごい

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階段を使って地上にあがることもできる。秘密基地のようでちょっとわくわくする Photo: Asakura Takuya

フィンランドの面積は日本とほぼ同じだが、人口はわずか約550万。しかも国土は南北に長く、東側は1300キロ以上にわたってロシアと地続きだ。18歳以上のすべての男性に兵役を課す徴兵制度を、現在も維持している。

民間防衛にも力が入っている。避難用のシェルターは、一定以上の大きさの建物には設置が義務づけられ、公共のシェルターも各地に整備されている。

首都ヘルシンキの地下は強固な岩盤で、大規模な公共シェルターの多くは、チーズのように穴のあいた岩盤を掘削し、表面をコンクリートで固めたもので、まさにアリの巣のようなトンネルが縦横無尽に広がっている。

中心街のメリハカ地区にある地下シェルターを、市当局で危機対策を担当するアンドレアス・シュナイデルの案内で訪れた。

面積は約1万5000平方メートル、収容人員は6000人。普段から駐車場、フットサルのコート、トランポリンやスナックコーナーがある子どもの遊園地などに使用されている。空調設備や水道設備が完備され、トイレ235台、3段ベッド約650台などを、非常時にはただちに組み立て、設置することはできる。

シェルター内の各エリアは、爆撃に備えた強固な扉で仕切られている。日本でシェルターと言えば自然災害を考えるかもしれないが、ここでは戦争を想定していることを物語っている。ちなみに、フィンランドでは地震はほとんどないそうだ。

シュナイデルによると、冷戦から時が経つにつれ市民の危機感は薄れ、シェルターの設置義務を緩和する動きもあった。しかし、相次ぐテロ、シリアの壊滅的な内戦、そしてロシアによるクリミア併合などをうけ、近年はシェルターの役割が再び見直されているという。(敬称略)