森村美咲
パソナシンガポールセールス&マーケティングチームマネージャー
ON
異動で、5年前に東京からやってきました。「中国の次は東南アジアだ」と注目を集めたころで、玄関口のシンガポールに日本企業がどんどん進出していたんです。
現地法人は設立32年目で、インド系シンガポール人女性が社長です。東京の本社とのやりとりが増えたので、彼女を支えるのも私の役目。同僚25人の国籍はシンガポール、マレーシア、ベトナム、中、印、韓、日と7カ国に及びます。「言わなくても分かるだろう」という日本の常識は通じない。細かなことも話すよう心がけています。
進出してくる日本企業は、法律や会計、IT、飲食などサービス関連が中心で、営業担当の方が一人で赴任される例も多い。みなさん東南アジアを飛び回りながら、会計や就業規則づくり、従業員の福利厚生の仕事などもこなさないといけません。私たちは、本来の人材紹介だけでなく、よろず相談を受けて、そういった業務の下支えもしています。
OFF
群馬の同じ中学に通っていたころからつきあっていた美容師の彼は、私よりも5年前にこちらに来ました。でも、私は東京の仕事にやりがいを感じていたため、残りました。私がこちらに着いた翌日、一緒に婚姻届を日本大使館に出した時は、うれしかったですね。
一昨年、長女が生まれました。保育園は月に約20万円で、とても利用できない。でもハウスキーパーさんを雇う習慣があり、我が家でも32歳のフィリピン人女性が、自分の子のように娘の面倒を見てくれます。日曜日は娘と、ラッフルズホテル内の夫が経営する美容室に行き、仕事が終わるのを待って夕食へ。蒸し鶏をレタスで包むジンジャーチキンや、豚バラを漢方スパイスで煮こんだバクテーがおいしい。週に一度の楽しみです。
(構成 GLOBE記者小山謙太郎)
もりむら・みさき
1982年、群馬県生まれ。2006年、人材サービス大手のパソナに入社。渋谷支店の外勤など、営業畑を歩んだ後、2011年にシンガポールへ。勤務先のナンバー2の役割を担う。