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エリザベス女王の国葬はいつ、どう執り行われる?個人を国葬するイギリスの基準とは

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エリザベス女王=2022年3月23日、ロイター

9月8日に96歳で死去したイギリスのエリザベス女王。歴代国王で最長の70年の在位期間を誇り、多くの国民に敬愛された。その国葬は9月19日午前11時(日本時間午後7時)からロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われることが発表された。この日は月曜だが、英国全土が休日となる。

国葬前の日から4日間、女王の遺体はウェストミンスター宮殿のホールに安置され、一般の人が追悼する期間が設けられる。

エリザベス女王の国葬までの日程 

(出典:イギリス王室公式サイトなど)

【9月11日】

8日の死去後、静養先の北部スコットランドのバルモラル城内に安置されていたエリザベス女王の棺は11日、スコットランドの中心都市エディンバラへ約6時間かけて霊柩車で運ばれた。

エディンバラ市内のホリールードハウス宮殿に到着したエリザベス女王の棺=2022年9月11日、イギリス北部スコットランド、ロイター

【9月12日】

12日午後にエディンバラ市内のホリールードハウス宮殿から約1.2km離れたセント・ジャイルズ大聖堂に向けて葬列が行われ、長男チャールズ国王ら王族メンバーも棺に続いて旧市街の大通り「ロイヤル・マイル」を歩く。その後、セント・ジャイルズ大聖堂では一昼夜、棺が公開安置される。

【9月13日】

棺は13日、エリザベス女王の長女アン王女の付き添いのもと、エディンバラから空軍機でロンドン近郊の空軍基地に運ばれ、ロンドンのバッキンガム宮殿へ運ばれる。

【9月14日】

14日午後、棺は砲車に載せられ、バッキンガム宮殿から、英国国会議事堂として使われているウェストミンスター宮殿へ移される。

バッキンガム宮殿からは、女王の庭園、宮殿前の大通り「ザ・マル」、近衛騎馬隊司令部があるホース・ガーズ、官庁街ホワイトホール、英国議会前広場などを通り、その間、人々は沿道から棺を見ることができる。

ウェストミンスター宮殿内のホールで祭礼が行われたのち、国葬が行われる19日まで24時間体制で公開安置される。

バッキンガム宮殿前に献花する人々=2022年9月9日、ロンドン、朝日新聞社

【9月19日】

19日朝、公開安置が終了し、棺はウェストミンスター・ホールから、ウェストミンスター寺院へ移されて、午前11時(日本時間午後7時)から国葬が執り行われる。

その後、棺はロンドン郊外のウィンザー城へ運ばれ、夫フィリップ殿下の葬儀が行われた城内のセントジョージ礼拝堂に埋葬される。

イギリス公共放送BBCによると、国葬は、直近では1965年のチャーチル元首相や1952年の女王の父ジョージ6世の時に行われた。2013年のサッチャー元首相や、1997年のダイアナ元皇太子妃は国葬に準じる「国民葬」だった。

国王以外の国葬、イギリスではどう決まる?

エディンバラで、大勢の人が見守る中、ホリールードハウス宮殿に向かうエリザベス女王の棺=2022年9月11日、イギリス北部スコットランド、ロイター

2013年にイギリス下院が、国葬と国民葬の違いや、その意思決定の事例についてまとめた資料を発表している。

それによると、国葬は、通常は国王に限られるものの「国王の命令や、費用を負担する議会の承認などによって、並外れて傑出した個人にも行われ得る」という。

過去に国葬された個人には、万有引力の法則を発見した科学者ニュートン、ナポレオンに戦勝したウェリントン公、海軍の英雄ネルソン提督、第2次世界大戦で連合軍勝利に導いたチャーチル元首相がいる。

国王以外の個人が国葬される例は歴史的に極めてまれなため、その決定方法は公式には定められておらず、基準もはっきりしていない。だが、過去の例では「国王、首相、議会」が関わっている点で共通しているという。

チャーチル元首相が1965年に亡くなった際は、ウィルソン首相が議会に国葬を命じるエリザベス女王の署名入りの手紙を示し、国葬実施の動議を提出した。

国葬にしてほしいかどうか、イギリスでは故人の遺志も尊重されるようだ。チャーチル元首相は死の5年ほど前に健康状態が悪化した際、国葬を打診されて承諾。

一方、サッチャー元首相とその家族は、「公開安置は適切でない」と国葬を辞退したという。また、費用がかかることから軍の儀礼飛行をしないよう望んだといわれている。