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イギリスのエリザベス女王が96歳で死去、激動の治世と生涯を振り返る【タイムライン】

World Now 更新日: 公開日:
エリザベス女王=2022年2月5日、ロイター

イギリスのエリザベス女王が9月8日、静養先の北部スコットランドのバルモラル城で亡くなった。96歳だった。2月に在位70周年を迎え、歴代国王で最長記録を更新していた。 

王室の医師団が女王の健康への懸念を発表したのは8日の昼間、午後0時半すぎ。 

城内に滞在していた長男チャールズ皇太子夫妻や孫のウィリアム王子らが駆けつけ、その数時間後に家族に見守られて安らかに息を引き取ったという。 

エリザベス女王の死去に伴い、長男チャールズ皇太子(73)が直ちにチャールズ3世として王位を継承した。 

エリザベス女王は、近年はチャリティー団体のパトロン(後援者)をチャールズ皇太子に譲るなどして公務を軽減してきた。 

最近も検査入院したり、医師の助言で公務を欠席したりすることがあったとはいえ、9月6日にバルモラル城で与党保守党のリズ・トラス新党首と面会して組閣を命じるなど亡くなる直前まで国王としての職務を遂行した。 

1952年25歳で即位してから70年の間にチャーチル氏やサッチャー氏ら15人の首相が交代。その治世は、第2次世界大戦後の不況や大英帝国の終わり、北アイルランド紛争、EU離脱などイギリス激動の時代と重なる。 

だが献身的に公務に取り組みいつもほほえみをたたえた女王は、国内外を問わず多くの人に愛され、尊敬を集めた。 

 エリザベス女王の生涯タイムライン

(出典:イギリス王室ウェブサイトなどより) 

1926年4月21日 ロンドンのメイフェアにヨーク公(のちのジョージ6世)とエリザベス妃の長女として生まれる。 

1936年12月11日 伯父エドワード8世が、離婚歴のあるアメリカ人のシンプソン夫人と結婚するため即位から1年足らずのうちに生前退位したため父が国王に即位。10歳で王位継承順位1位となる。 

1947年4月21日 21歳の誕生日に南アフリカで行ったラジオ演説で、「私の生涯が長くても短くても、そのすべてをあなた方と、私たちみんなが帰属する、偉大な英帝国のために尽くします」と誓いを述べる。

1947年11月20日 ギリシャの王子だったフィリップ殿下とウェストミンスター寺院で結婚。フィリップ殿下は、エリザベス女王が13歳の時の初恋の相手とされる。 

1948年11月14日 長男チャールズ皇太子(のちのチャールズ3世)が誕生。 

1952年2月6日 父ジョージ6世の死去に伴い25歳で即位。即位の瞬間は、アフリカのケニアを訪問中で、木の上からサイが水を飲む様子を見ていたという。急ぎ帰国した女王を、空港でチャーチル首相が出迎えた。 

1953年6月2日 ウェストミンスター寺院で戴冠式が行われる。

1975年5月7日 イギリス国王として初めて来日。フィリップ殿下とともに都内をパレードし、新幹線に乗ったり、伊勢神宮を訪問したりした

伊勢神宮内宮を見学し、参道を歩いて戻るエリザベス女王=1975年5月11日、三重県・伊勢神宮、朝日新聞社

1997年9月5 チャールズ皇太子と離婚したダイアナ元皇太子妃の事故死を受けて、バッキンガム宮殿から異例の生放送でテレビ演説を行う。当時は、追悼声明をただちに出さない女王の対応が「冷ややかだ」と国民から批判を浴びていた  

ダイアナ元皇太子妃の事故死を受けて、ロンドンのバッキンガム宮殿前に手向けられたたくさんの花束を見つめるエリザベス女王と夫フィリップ殿下=1997年9月5日、ロイター

2011年5月17 イギリス国王として100年ぶりに隣国アイルランドを公式訪問。イギリスからの独立を求めて命を落とした戦没者を悼む 

2012年7月27 ロンドンオリンピックの開会式に映画「007」の主人公ジェームズ・ボンドとともに映像出演し、式典を盛り上げた。

2021年4月9日 70年以上連れ添ったフィリップ殿下が99歳で死去。

2022年2月6日 イギリス国王として初めて即位70周年を迎える 

2022年6月2日 即位70周年を祝う「プラチナ・ジュビリー」の記念式典が4日間にわたり盛大に行われる。

2022年9月6日 バルモラル城でリズ・トラス保守党首に面会し、首相に任命。通常は任命はロンドンのバッキンガム宮殿で行われるが、女王が歩行に困難をきたしているため変更になったと報じられた。

2022年9月7日 医師の助言でトラス新首相らとのオンライン会議を欠席。  

2022年9月8日 バルモラル城で死去。