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presented by 立命館アジア太平洋大学(APU)

混ぜると、強い。「若者の国連」と呼ばれるキャンパスで「世界を変える力」をつける

Sponsored by 立命館アジア太平洋大学(APU) 公開日:
国際経営学部3回生・入口裕子さんと国際経営学部4回生の伊藤愛留さん=駄道賢剛撮影

■「混ぜる」環境が、学生の行動力を引き出す

「今年、エジプトに留学するんですよ」。国際経営学部3回生の入口裕子さんは、出発に向けて準備に忙しい日々を送っている。「現地にどんな課題があり、ビジネスでどう解決できるのかを見つけに行くのが楽しみです」

世界に目が向く原点になったのは、高校時代、アメリカ・ケンタッキー州に1年留学したときだ。ホストファミリーが黒人で、アメリカの人種問題を肌で感じた。ボランティアで中米エルサルバドルに行き、児童労働の姿を目の当たりにした。

「日本にいながら海外の学生と多く触れられる」ほかにはない環境に惹かれ、APUに興味を持った。

自身は留学中、友達ができずに苦労した経験がある。

「多くの人に囲まれている人は、自分と何が違うのか。観察していると、興味関心の幅広さだと気づいたんです。新しい分野にも、面白そうと興味を持ち、相手の意見を受け入れ、行動に移している。自分もそんな風になりたかった。APUには、それを体現している学生がたくさんいる印象を受けました」

国際経営学部3回生・入口裕子さん

APUでは、1回生の多くがキャンパス内にある国際教育寮「APハウス」に入る。国際学生(海外からの留学生)と日本人学生が暮らしをともにすることで、お互いの文化、慣習を理解する。イラン、ナイジェリア、インド……。さまざまな国の学生と夕食を一緒に作って食べる生活は刺激に満ちていた。

「多国籍の友人と暮らす生活が楽しくて、寮を出た今も国際学生半分、日本人半分、という別府市内のシェアハウスで暮らしています。APハウスでの生活があったから、新しいことに興味を持ち、友人たちの国にも『行ってみたい!』と思うようになりました」

APUには、国内外で活躍している卒業生のもとでインターンシップを行うプログラム「GAIA(Global Internship with Alumni)」があり、卒業生と現役学生がじかにつながることができる。入口さんは2回生の時に手を挙げ、モンゴルでダイソー現地法人を経営する卒業生のもとを訪れた。

モンゴル内の店舗を回り、商品の使い方を説明する動画を作ったり、売り場の見せ方を考えて提案したり。モンゴルで経営者として活躍している4人のAPU卒業生にも会って、思いを聞かせてもらえた。

APUでは、日本人学生と国際学生を混ぜたグループワークや実践型の授業も多い。例えば観光学入門の授業では、別府市内のホテルを訪問し、観光客向けのPR動画を作成した。ターゲットはどういうお客なのかをヒアリングし、それに合わせてどんなスポットを提案すればいいのか、も自分たちで考えた。

国際学生と一緒にプロジェクトを進める中で、「相手のことを想像して話すようになった」という入口さん。何かを食べるときも「宗教上、このメニューで大丈夫かな」、雑談をするときも「このテーマにはどう思うかな」と一度立ち止まって考える。さまざまな考え方がある、という当たり前を、肌で感じられる環境で得た感覚だ。

入口さんのキャンパスライフは、授業だけにとどまらない。「APUには、『やってみたい!』と誰かが動いたことに協力してくれるカルチャーがあるんです」

日本人学生と国際学生の交流の場を作りたいと先生に相談すると、「『別府市のビーチクリーン活動を一緒にやるのはどう?』とアドバイスをいただきました」。多いときで30人の学生が集まり、別府市との交流にもつながった。

せっかくAPUで多国籍の文化に触れられるのだからと、『アフリカの服を学校に着てこよう』とインスタグラムで呼びかけたら、アフリカ出身の学生が、素敵な服を提供してくれた。「こんな風に、小さな挑戦を応援し、協力してくれるところがAPUの良さだと思います」

エジプトでの1年の留学をさらなるステップにして、「起業で課題を解決したい」という思いの実現に向かって歩んでいく。

■グループワークで得た「自分以外の視点」

自分が考える「当たり前」は、当たり前じゃなかった――。
国際経営学部4回生の伊藤愛留さんも、APUで得た気づきをそう話す。

国際経営学部4回生の伊藤愛留さん

中学生から大学1回生までをニュージーランドで過ごし、日本の大学進学は頭になかったという伊藤さん。しかし、APUを知って心が動いた。

「アメリカの大学進学も考えましたが、学費が高い。住み慣れたニュージーランドの大学にいったんは進みました。心地よくて大好きな場所でしたが、もっと違う世界を見たいという思いが強くなっていった。英語で授業を受けられ、あらゆる国の人と出会えるAPUの存在を知り、『ここだ!』と思いました」

実はニュージーランドの高校時代からビジネスの経験がある。ビジネス教育に力を入れている学校で、お土産やノベルティの製造販売を手がける「プチ起業」を経験した。「アイデアを形にし、売上という成果につながっていくのがすごく面白かった。その思いが原体験になっています」

APUでも、別府みやげについてのあるビジネスプランをつくって大学側に持ち込んだら、出口治明学長が直轄で立ち上げた「APU起業部」を紹介された。学生たちは、学長の名をとって「出口塾」と呼んでいる。

APUは、学長室が出入り自由というオープンさも特徴のひとつだ。学生は自由に出口学長を訪ね、さまざまな相談をもちかける。起業の相談を100件以上受け、出口学長が2018年に「学生たちの意欲に応えたい」と立ち上げた。

このビジネスプランから生まれたのが、別府の老舗菓子の詰め合わせ「The 57(ザ・ゴーナナ)」だ。

キャンパスからは、別府湾と別府市街が見渡せる

伊藤さんがAPUに編入したのはコロナ禍のさなか。観光客もなく閑散とした別府市内の様子に危機感を覚え、何か自分にできることはないかと、街中のお土産を買って、APハウスに持ち込んだ。

「僕にとっては地味で古く見えるお菓子も、ドイツ人の友人は『マジパンに似ていておいしい』と言ったり、ケニア人の友人が『子どもの頃よく食べた味がする』と喜んでいたり。多様な視点が入ることで、新たなスポットライトを当てられる、という発見がありました」

こんなに世界中から学生が集まっていて、別府のお土産を広げられるチャンスがあるのに、知られていないのはもったいない。そこで、APU生お墨付きのおいしいものだけ厳選した、別府の銘菓詰め合わせを作ろうと考えた。『The 57』という名前は、57カ国・地域の学生に食べてもらい、もっとも評価が高かった三つを詰め合わせたことから来ているという。

「APUの学生ですが、こういう企画をしていて……と話すと、『じゃあ来週来て』と。会ってくださる企業の方が多かった」。地域が大学を応援してもらえていると実感できる。

いま主に学んでいるのは「Strategic Management(経営戦略)」。イノベーションやマーケティングなど、英語で行われる授業を意識的に選択している。

授業を通じても、違いを学ぶシーンは多いという。

リーダーシップを学ぶ「ピアリーダートレーニング」の授業。国際学生と日本人学生が半分ずつのグループで、ブレーンストーミングをする。自らの意見を発信し続ける国際学生に対し、言葉が出ない日本人学生。そこで学んだのは、「どうしたらチームの全員が意見を出せるような話しやすい環境を作れるか」だった。

「大学1回生まで過ごしたニュージーランドでは、彼らの文化に僕が適応していくことで心地よく過ごしていました。でもAPUは、いろんな人の“当たり前”や“普通”が共存している。どこに合わせればいい、という環境ではありません。たくさんの“当たり前”がある、と気づくのに1年くらいかかりましたが、多くのグループワークを通じて、自分以外の視点で物事を考えられるようになりました」

現在、起業部で事業化を進めている英語習得トレーニングプログラム「Growbuddy(グロウバディ)」も、自身の経験から誕生したプロジェクトだ。

英語の上達には、「なんとしてでも伝えなくてはいけない」という環境が欠かせない。相手がクセのないキレイな英語を話してくれる環境は現実にはほとんどなく、伊藤さん自身もニュージーランドで「友人の英語が何も聞き取れない」苦い経験をしてきた。

そこで、「Growbuddy(グロウバディ)」では、さまざまな英語のアクセントがあるAPUの留学生3人と日本人の社会人が対話する、よりリアルな環境での英語学習を進めるワークショップを提供する。今はさらに、一緒にeスポーツをしながら英会話に取り組む子ども向けのプログラムも進めているという。

「僕はニュージーランドで、大好きなバスケの練習を通じて英語を話せるようになりました。試合中は、こちらの意図を伝えなければ勝てない。eスポーツも同じです。オンラインで世界中とつながれる今なら、eスポーツをしながら英語を学ぶことができると考えました」

在学中の起業か、卒業後になるか。未来はまだ流動的だ。

その行動力の源には何があるのか。聞くと、「Seek Discomfort」という言葉が返ってきた。

「不快感を求めろ、という言葉が好きなんです。常に、自分のコミュニティとは違うところにコネクションを持って、いつもと違う視点から物事を見てみる。いろんな国の学生と話していると、94カ国・地域それぞれにいろんな課題があり、でも各国に共通したものも見えてくる。つなげたら面白い、という新しい発見があるのは、違和感に触れているからだと思います」

■出口学長が語る「APUで鍛えられる力」

ライフネット生命社長、会長を経て、2018年からAPUを率いる出口治明学長。歴史への深い造詣、世界を俯瞰する広い視座を生かして、APUをどんな場にしたいと考えているのか。思いを語ってもらった。

出口治明学長

キャンパスを見てもらえれば分かる通り、APUは「若者の国連」のようなものです。このキャンパスで学んで、世界中に散らばっていった卒業生は2万人を超えます。圧倒的な多国籍環境がAPUを最もユニークにしていると思っています。

開学時からAPUは、世界中から優秀な学生を集めて、日本人を含めた多国籍な若者を「混ぜて」日本のグローバル教育を牽引してきました。ただ、多国籍環境があればそれでいいわけではありません。APUでは、学生を混ぜることに意識的に取り組んできました。

多文化の中では、意見の食い違いで衝突することがよくありますよね。異なる主張をどうしたら平和的に対話を通して協力関係に導いていけるのか、毎日学生は考えさせられ、それを繰り返すのです。

多文化の中で協働する力を鍛えられ、APUの学生はちょっとしたことでは動じなくなります。世界を知り、お互いの育った環境や、宗教、考え方の違いを認め合いながら前に一歩進む力を身につけていくのです。

人は、「人・本・旅」で賢くなると僕は考えています。キャンパスには、学生も先生も、本もたくさんあります。あとは旅です。だから、国内外の地域に行かせてもらい、現場で学ぶことが大切です。APUのフィールドワークやインターンシップ、短中長期の海外派遣プログラムなどがそれにあたります。

どんなに知識があっても実感が伴わなければ、「腹落ち」する感覚はなかなか得られません。広い世界を歩き回れば、それだけ新しい発見や出会いもあるというものです。そうやって人は学んでいくのです。

2023年度を目指して設置構想中の「サステイナビリティ観光学部」では、持続可能な開発と観光を通じて「持続可能な社会」を実現するために、世界市民として責任感を持って行動できる人を育てたいと思っています。

持続可能な社会、つまり環境や人を守りながら、一人ひとりが公平性の中で幸せを実感できる生活ができ、それが将来世代に受け継がれる社会は、地域における実践なしでは実現することができません。グローバル化が進む中、その地域の個性である歴史や文化、環境が保たれて循環していけば、世界全体が持続可能になっていきます。個々の経済発展のレベルが違うため、国際的な協力も必要となります。

農業などの第一次産業に依存している開発途上国にとっても、観光資源のある地域であれば観光産業は参入しやすく、地域経済に大きなインパクトをもたらします。

これからの観光は、世界中の地域の魅力を見出して価値を生む(=開発)、それを人々に喜ばれるような形の仕組みにする(=観光)、そしてそれを循環(=持続可能)させていくことが必要です。

サステイナブルな社会を実現するための手段として観光があり、また観光もサステイナブルな開発である必要があるということです。

「先の見えない時代」と言われます。これから起こることを予測して、それに備えることができたらいいですが、それが分かったら、誰も苦労しません。

大事にしてほしいのは、「チャレンジをやめないこと」「不安でも一歩踏み出すこと」「自分の頭で考える力を養うこと」です。

どんなことでもいいから、自分の好きなことを見つけて、やってみてください。歴史の教科書に載っている人でも、色々なことにチャレンジして99%は失敗しています。失敗を恐れずに世の中を変えようとチャレンジし続けた人がいて、そのうちの1%が成功したからこそ、今のこの社会がある。誰もチャレンジしなくなったら、世界は一ミリも良くならないのです。

チャレンジというのは、自分の能力よりも少し高いことに挑戦してみるということです。人は誰でも失敗するかもしれない、と思うと怖くなる。それでも勇気を持って未知の世界に飛び込んでみてほしいのです。私たちは、若い人たちが「好きなこと、やりたいこと」を見つけるための学びの場を作っていきたいと思っています。