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イランの巨大塩湖「ウルミア湖」 半分以上干上がり、まるで「白い砂漠」

世界報道写真展から――その瞬間、私は
Maximilian Mann/DOCKS Collective

イラン北西部にあるウルミア湖は、かつては世界有数の面積を誇る塩湖だった。それが今では水位が低下し、ひどいときは半分以上が干上がって、あちこちで湖底が露出している。そんな情報を知ったドイツのドキュメンタリー写真家(フリーランス)のマキシミリアン・マン(28)は、地球温暖化の深刻さを問題提起したいと、ウルミア湖のルポ取材を決めた。

2018~19年の間に季節を変えて計3度訪問したが、「塩湖はむしろ白い砂漠のようだった」。国立公園に指定された観光名所だが、今では訪問客も減り、周辺の農地には塩害が広がる。「滞在中とても親切にしてくれた」という地元住民の健康にも影響が出ていた。欧米では一般的にあまり知られていない湖だが、その深刻な現状は世界中で起きている気候変動の映し鏡のようだった。

撮影した写真シリーズには「消えゆくフラミンゴ」と題名をつけた。現地の自然史博物館にあったフラミンゴの絵画が記憶に残っていた。もともとはフラミンゴを始めとする多くの野鳥の天国だったが、それも昔話になりつつある。

「人間は視覚の生き物。私が写したウルミア湖の写真が、環境問題に対する意識を高めるウェークアップコールになってほしいと願っている」

20年は新型コロナウイルスの感染拡大でドイツを出られない日々が続いたが、現地で撮影された最近のウルミア湖の写真を見ると、水量が少し戻っているように見えたという。原因はよく分からないが、「再び希望が芽生えた瞬間だった」。コロナ危機が終わり、再び海外取材が可能になったら、真っ先にイランを訪問して、自分の目で確かめたいという。

■湖底が露出するウルミア湖

イラン最大の湖で、オルーミーイェ湖やウルミエ湖とも呼ばれる。もともとの面積は5960平方キロメートルあり、中東ではカスピ海に続く大きさの巨大な塩湖だったが、2000年以降、水位低下が顕著となった。今では1970年時の12%まで面積が縮小したとされる。

原因の一つは地球温暖化だ。夏季に気温の異常上昇が起きるようになり、湖水が蒸発して広範囲で湖底が露出した。さらに、流入する河川でのダム建設などに加え、周辺農地で多くの井戸が違法に掘られたことがある。フラミンゴやペリカンなどの野鳥はほぼ姿を消したという。(山本大輔)