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【英語で名言】ヨーロッパ史の大家が語る「栄枯盛衰」の言葉の重み

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語
安河内哲也撮影

■今週の名言

All states and nations, however great, bloom for a season and are replaced.

(あらゆる国や国民はどんなに偉大であろうとも、ある季節で咲き誇り、そして入れ替わっていくものだ)

■名言を味わう

「どんな強国であろうとも栄えるのは一時で、ほどなくしてほかの国にとって変わられる」と言っています。そう、栄枯盛衰のことです。著名な歴史学者の目にも、やっぱりこう映るんですね。

ちなみにこちらの名言は、デイヴィスの著書『Vanished Kingdoms: The History of Half-Forgotten Europe』(2011)に記されたものだそうです。

歴史の授業で習った、中国王朝の順番「殷、周、東周……元、明、清」などは、暗記するのに四苦八苦した思い出が真っ先によみがえりますが、それこそ栄枯盛衰の年表と言えるでしょう。

栄枯盛衰の世界史は、こんなふうにざっと振り返っただけでもいろいろ考えさせられます。ですが国家レベルだけでなく、普通の人間の生活にも栄枯盛衰はついて回るのでは? いっとき仕事がうまくいっていても、そのうち失敗もあれば、競争相手に追い抜かれることもある。

やたら厭世的な物言いだと思われるかもしれませんが(笑)、そうではありません。今回の名言から私が感じとった教訓は、こんな感じです。

「仕事はうまくいくときもあれば失敗することも。一喜一憂するのではなく、軽く受け流すくらいがちょうどいい。数字や物質的な栄華に執着しすぎず、心豊かに生きる努力も怠らずやっていこう!」

■名言の単語ピックアップ

state

状態、様子、国(家)

いろいろな意味のある単語stateですが、私たち日本人が最初に出会ったstateはthe United States of America(アメリカ合衆国)ではないしょうか?  State of California(カリフォルニア州)をはじめ50州から成るアメリカですから 「state=州」と暗記している人も多いかもしれません。

国名の一部にもなっているように、「(主権を持つ)国、国家」という意味もstateにはあります。派生して「(一国の)国政、国事」といった意味もあります。

a welfare state と言えば「福祉国家」、a head of stateと言えば「国家元首」、separation of church and stateと言えば「政教分離」のことです。

stateが国名に入っているだけあってアメリカ関連のニュースでは、よくこの単語が入った見出しを目にします。いくつか挙げてみましょう。

the State Department (米国の)国務省(他国の外務省にあたる)

the Secretary of State (米国の)国務長官(他国の外務大臣にあたる)

State of the Union Address 一般教書演説 (大統領が連邦議会両院に向けて行う演説。通常1月下旬)

さて、最後の一般教書演説(State of the Union Address)ですが、ここでのstateの意味は国でも州でもありません。日本語としては一切訳出されていませんが、State of the Unionの本来の意味は「国の現状、ありさま」です。the Unionがアメリカ合衆国のことで、Stateは国の「状態」を指しているわけです。

実は「(人や物が置かれた)状況、状態、ありさま」といったこの意味こそが、stateの根本的な意味なのです。

例を見ていきましょう。

Our company was in a terrible state last year.

(我が社は昨年ひどい状態だった)

This house was in a horrible state when we first bought it. It cost a fortune to renovate.

(この家を買った当初は最悪の状態だったんだ。リノベするのに散財したよ)

He’s in a state of panic because he was just fired.

(会社をクビになったばかりだから、彼は今パニック状態だ)

Those countries are in a state of war.

(その国々は戦争状態にある)

以上のように、物理的な状態、精神的な状態のどちらも差しますし、国から個人まで大小幅広い対象もカバーしますよ。

状態、ありさま、様子を表すstateとしては、以下の2つの言い回しをぜひ覚えてください。

state of affairs 情勢、事態、状況

Our last quarter’s profits were down 50% from the previous year. I must say this is a very unsatisfactory state of affairs.

(我が社の直近の四半期の利益は、前年比で50%のダウンだ。これは不十分極まりない状況と言わざるを得ない)

state of emergency 非常事態

コロナ禍で脚光を浴びた使い方は、これでしょう。

The government has declared a state of emergency because of the pandemic.

(このパンデミックで政府は、非常事態宣言を発布した)

*pandemicは国をまたがって、世界の広域で蔓延する深刻な感染症の流行のこと

さらにstateは、「〜を述べる」という意味の動詞としても使われます。

Please state the reason for returning the product.

(本品を返送される理由を述べて<書いて>ください)

*返品するときに必ずと言っていいほど尋ねられる項目。

Would (/ Will) you state your full name, please?

(あなたのフルネームを述べていただけますか?)

*裁判や公聴会などで最初に尋ねられる定番の質問。

上記のように動詞の「state=述べる」には、オフィシャルなイメージがあります。

ビジネスシーンでもよく使います。

The current contract doesn’t state clearly what kind of expenses will be reimbursed.

(今の契約書はどんな種類の経費が払戻されるか明確には述べていない)

He stated firmly that we’re not going to merge with them.

(彼は我が社があの会社と合併することはないと明言した)

仕事の場でもやはり公式に、またははっきる述べるシチュエーションでよく使われます。

ちなみに「発言、供述、声明(文)、(取引などの)明細書」という意味の名詞はstatementになります。こちらもセットで覚えてくださいね。

■名言を解剖する

All states and nations, however great, bloom for a season and are replaced.

(あらゆる国や国民はどんなに偉大であろうとも、ある季節で咲き誇り、そして入れ替わっていくものだ)

まず文の形をチェックします。主語はall states and nationsです。カンマとカンマで挟まれたhowever greatは、挿入、つまり付け足しです。そして、bloomとare replacedが述語動詞になります。

stateとnationはどちらも「国」という意味があるのでややこしいのですが、ここでは政治機構としての国がstate。いっぽうのnationは、「国民」という意味で使われています。

挿入のhowever greatは、今回のhowever +形容詞の形、またはhowever+副詞の形を取って「どんなに〜でも」という意味になります。文法的には副詞句と言われるものです。「どんなに偉大でも」または「どんなに巨大でも」となります。

however tiredなら「どんなに疲れていても」、however beautifulなら「どんなに美しくても」、however muchなら「どんなに多くても」となります。

また「どんなに〜でも」のhoweverは、no matter howに置き換えることができます。

ですから、以下の2つの例文は同じ意味になりますよ。

However great you are, there’s always room for improvement.

No matter how great you are, there’s always room for improvement.

(どんなに優秀であれ、改善の余地は常にある)

bloomは、「花が咲く、〜を開花させる」という意味の動詞。for a seasonは「ある季節に」。aがあるので「どこか1つの季節にだけ咲く」というニュアンスがあります。

replaceは「(〜を)取り<付け・差し・置き>替える」という意味の動詞です。A.I. technology is rapidly replacing the human workforce. (AIのテクノロジーが人間の労働力に急速に取って代わってきている)などと使います。ここではare replaced(取って代わられて)と、受動態になっています。

栄枯盛衰を季節(season)と花の開花(bloom)という比喩で表現した一文。春に咲き誇った花は、夏にはbe replacedされ……というイメージですね。

That’s life.(人生そういうもん)とわきまえて(開き直って?)、前を向いて進んでいきたいものです。

■今週の1枚

家の庭の葉牡丹を接写して撮ってみました。花や植物に疎い私ですが、庭いじりが好きな妻がちょこちょこ植えている何かに花が咲くと、名前もよく知らないままに、いろんな角度から撮影をよくしています。

ですが、花だと思い込んでいたこの赤紫の部分はどうやら葉で、この上に小さな黄色い花が咲くことを、今回初めて知りました。趣味の写真のおかげで、少しずつながら見聞が広まっていくのも楽しいものです。

さて次週(7月13日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、ちょっと趣向を変えて、映画の中の台詞を取り上げたいと思います。大ヒット映画「タイタニック」のヒロイン、ローズが、今は亡き最愛の人、ジャックを偲びながら静かに口にする言葉です。「女性の気持ちが理解できない」とお嘆きの男性諸君は、特に必見かも!?

どうぞお楽しみに。See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。