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エコノミークラスを快適空間に作り替える私たちのヒント

ニューヨークタイムズ 世界の話題
PHOTO MOVED IN ADVANCE AND NOT FOR USE - ONLINE OR IN PRINT - BEFORE MARCH 8, 2020. -- To have a comfortable flight, many economy travelers rely on their own ingenuity and, increasingly, specialized products. (Lars Leetaru/The New York Times) -- NO SALES; FOR EDITORIAL USE ONLY WITH NYT STORY FLIGHTS MICRONESTING ADV08 BY CHRISTINE NEGRONI FOR MARCH 8, 2020. ALL OTHER USE PROHIBITED. --
Lars Leetaru/©2020 The New York Times

英ウェールズから来た工学部の学生マーサ・ローズ・オーメロッド(29)は飛行機で旅行をする時は、いつもの決まり事がある。エコノミークラスの小さな座席についたらすぐ、その空間を自分流につくりかえること。

彼女は毛布と枕、その他の必要品――飲料水が入ったボトル、本、リップクリーム、保湿剤――を手元に置く。ボーイフレンドと一緒に旅をする時は、もっとややこしい。彼はずっと背が高く、時々、自分の荷物を彼女の方であずかってほしいと頼んでくるからだ。

飛行機の内装デザイナーのバーナデット・バーガーは、「マイクロネスティング(micronesting=小さな巣作り)」と呼んでいるが、それは飛行機ではよくあることなのだ。

プレミアムキャビン(より上級の客室)の旅行者には、もっと広いスペースがあり、もっと多くの客室乗務員がつく。しかし、エコノミークラスの旅行者が機内で快適に過ごすには、多くの人たちは創意工夫に頼るし、特殊な製品に頼ることも増えている。

「航空会社が提供していない製品で乗客をサポートしようという種々雑多な業界がある」。そうバーガーは言う。

米コネティカット州グリニッジの図書館員フィオンヌアラ・ブラウニング(51)は毎年、オーストラリアに旅行する。そうした長いフライトでは、彼女はウトウトするのにいくつかの品々の助けを借りる。

「眠りに就く時は、何でもする」と彼女は言っている。「足はハンモックに置く。圧縮靴下をはく。ブランケットや自前のひざ掛けも使う」。首枕、耳栓、立体的なアイマスク。「10分のセットアップで準備完了だ」

乗客はそれぞれのやり方でマイクロネストをつくる、とバーガーは言う。

トレーテーブルを拭く人は? 初めて親になった人、とバーガーは言う。出張の旅行者は離陸前に最後のメールを送信し、ブーマー世代は電子書籍リーダーを取り出す。ミレニアル世代は「機器の充電をする、それはすごく大切なこと」なのだ。

マイクロネスティングを商売にしようとしている会社が少なくとも1社ある。昨年12月、ロンドンの工業デザイン会社「New Territory」は折りたたみ式の「ウィング」がついた布張りの背もたれ「Interspace」を発表した。航空会社はこれをプレミアム・エコノミークラスの座席に取り付けることができ、エコノミークラスの乗客の上半身と頭部をより快適にサポートする日がいずれ来るだろう。New Territory社のチーフ・クリエーティブディレクター、ルーク・マイルズは、そう言っている。

この製品がいつ、どのように利用できるようになるかははっきりしていない。その時が来るまで、以下、小さな巣に収まるための製品や旅行術を紹介しよう。

●フット・ハンモック(Foot Hammock)

先にブラウニングが言及したフット・ハンモックについてみてみよう。彼女が目を付けたのは豪カンタス航空のボーイング787やエアバスA380に備えられているメッシュスリング(網目の抱っこひも)で、旅行者が手足を伸ばすのに役立つ。

●ネック・ウォレット(Neck Wallet)

トレードショー(商談展示会)で使われるIDケースを再利用するか、外側が透明で旅券や携帯電話が入る大きめのジップトップが付いたネックウォレットを購入すること。自宅を出てから目的地に着くまで、とりわけ飛行機内で、それを首から下げておけば、いつでも携帯電話の場所がわかる。各種の製品をネット通販サイトで見つけられる。

●ドゥー・エブリスィング・スカーフ(Do-Everything Scarf)

多くの航空会社が、エコノミークラスではブランケットの提供を廃止した。少なくとも幅24インチ(約60センチ)、長さ60インチ(150センチ余り)の洗濯可能で重さが中程度のスカーフをブランケットや旅行用枕、フェースマスクとして使うことができる。非常用のタオルや自作の足用ハンモックとしても活用できる。

●スリープ・プロダクツ(Sleep Products)

アイシェード(訳注=強い光から目を保護する用品)と耳栓、首枕の3点が組み込まれた柔らかい(見た目は奇妙な)ヘルメットは豊富にある。首を痛めるボブルヘッド(頭の揺れ)を防ぐため、ヘッドハーネスで頭を座席の背もたれに固定する。別のオプションとしては、パーカを着て飛行機に乗り、眠る時はフードを首枕やアイシェードとして使う。使用方法は多くのオンラインサイトで調べること。

●ポータブル・フード(Portable Food)

再利用可能な食品容器と調理用具を機内に持ち込む。固形容器の持ち込みは余計にスペースをとるが、それはエコであることに加え、次にいつ食べ物を口にできるかがわからない時の不安を和らげることができる。密閉された旅行用のランチボックスなら、どれでもいいし、またはアウトドア用品Black+Blumで確認すること。

●エアシック・バッグ(Airsickness Bag)

座席の背面ポケットには、どれにも防水処理された飛行機酔い用のバッグが入っているが、それはゴミ袋としても使える。乗客は自分のスペースを清潔に保つべきであり、「次に座る人のためにきれいにしておくこと」とバーガーは言う。 機内の人たち全員があなたの望むような乗客となり、あなたのマイクロネストがこぎれいに保たれるよう願っています。(抄訳)

(Christine Negroni)©2020 The New York Times

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