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フェイスブック内で保守派がどのようにして力を行使するようになったか

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米ワシントンの連邦議会議事堂前に置かれた、ザッカーバーグ氏の段ボールの切り抜き=ロイター

“How conservatives learned to wield power inside Facebook”

(2月21日付 ワシントン・ポスト紙)

フェイスブック(FB)が本社を置くサンフランシスコベイエリアはliberal bastion(リベラルのよりどころ)とされ、FB上層部にも民主党支持者は多い。が、共和党が求めるpublic gestures(対外的な意思表示)を繰り返し、FBは右傾化しつつある。記事はその背景を分析する。

例えば、自らを本社リベラル派に対するbulwark(防波堤)だと思っているワシントンDC事務所の共和党派社員の存在だ。彼らは社内でwield power(力を行使する)。彼らの影響が顕著になり始めたのが前回大統領選挙だ。選挙前にフェイクニュースをpeddled(広めた)ページは多数あったが、多くが右寄りの内容で、FBはそれらを削除しなかった。

社員に広がる保守派への恐怖心も挙げる。社内関係者によると、共和党に好ましくないことをすると、backlash(反感)を買うと恐れる社員が少なくないそうだ。共和党政治家はこうした心理を利用し、FBからwin concessions(譲歩を引き出す)ことに成功したとみる。

今年の選挙にも影を落とす。所得などの個人情報を基に、興味嗜好を推測して配信するターゲット広告は政治家にとって強力なツールだ。しかし有権者の特性を把握し、効率的に情報発信する「マイクロターゲティング」は、政治的発言の責任と透明性をundermine(後退させ)、選挙のsanctity(尊厳)を脅かすと指摘。ツイッター社は政治広告を全世界で禁止するとしたが、FBは容認する考えだ。しかもファクトチェック機能を導入したのに、政治家の広告はチェックしないという。

民主党内では、FBの姿勢はトランプ大統領に有利で、前回大統領選をmarred(台無しにした)問題が再び起きるのではないかという懸念が広がる。FBはこう述べる。「商品をさらに安全に利用できるものにし、選挙もsecure(安全で確実なものにする)ため、新チームと技術に投資してきた。外部の見解を得ながら、あらゆるアイデアのためのプラットフォーム作りに専心する」。大統領選に向けて、こんな姿勢で十分か。答えは時間が教えてくれるだろう。