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「もしノーカーボのパンを食べたければ、お金はかかります」

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レストランに並べられた、地元の材料で作った自家製パン。2017年、ウィーンで=ロイター(写真はイメージ)

”If You Knead No-Carb Bread,It Might Cost You Some Dough”

2月23日付 ウォールストリートジャーナル紙

この記事の見出しには二つのダジャレが盛り込まれている。Kneadはパン製造過程での「練る」を意味するが、need(必要とする)と同じ発音なので、ここではneedの意味として使われている。また、Doughは「パンの生地」だが、見出しでは口語の「お金」という意味で使われている。この見出しを考えた人は大いに楽しんで書いたことだろう。

アメリカでは最近、ketogenic diet(ケトン体生成食餌療法)を含め、炭水化物を抜くダイエットの人気が高まっている。しかし、そういったダイエットを実践する人たちにとって、避けては通れない大きな課題がある。それはダイエット中にパンを食べてはならないのか、ということ。パンは炭水化物が多いので、炭水化物を避けたい人にとってはverboten(ご法度)だ。しかし普段パンを食べていた人が突然食べなくなると、余計にパンをpining for(切望)してしまう。そのため、アマチュアシェフやベンチャー企業、スーパーマーケットチェーンなどは、炭水化物の少ないパンを作ろうと躍起になっているという。しかし、簡単なことではないため、いろいろなworkarounds(次善策)が試されている。この記事はその状況を取り上げている。

炭水化物を多く含む小麦粉が、なぜパンに適しているかというと、たんぱく質のグルテンが入っているからだそうだ。グルテンは小麦粉に水を加えてこねると、つながって網目状になる。イーストなどの酵母が生地にある糖分やでんぷんを消化するとガスを放ち、弾力性や粘りのあるグルテンが気球のように伸びてこのガスを内部にとどめるため、パンがrise(ふくらむ)という。

炭水化物を抑えるために小麦粉を使わないと、別の材料を用いなければならない。例えば、卵や竹などの繊維を使うこともあれば、アーモンドや粉末コラーゲン、熟れていない青いバナナ、クリームチーズが使われることもあるという。

しかし、こうした材料で作られたパンには三つの問題がある。一つは形や食感だ。真ん中がへこんでいたり、内部が空洞化していたり、brittle(もろい、ぼろぼろな)ものや湿り気があるものも少なくないという。二つ目は値段が高いこと。実際、このような低炭水化物パンの値段は普通のものの何倍もする。そして多くの場合、味がmiserable(悲惨)なのである。

時流に乗って生き残るため、多くのパン職人はこういった困難なquest(探求)に懸命になっている。米国では炭水化物を控えるダイエットがますますmainstream(主流)になってきているため、同時にダイエットに合う食品を求めている人も増えている。なので、おいしい低炭水化物パンを作ることができたら、その会社はかなりの需要が期待できるのである。