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【ミニ解説】「26兆ドルの利益」夢か現実か 拡大続ける環境マネー

World Now
世界で最も過密な都市であるバングラデシュのダッカ。交通渋滞は深刻だ=浅倉拓也撮影

では、気候変動対策には、どれくらいのコストがかかるのか。それに対する人々の負担と恩恵はどのくらいあるのか。この分野の研究で知られるのが、世界銀行元チーフエコノミスト、ニコラス・スターンがまとめた「スターン報告」だ、GDP1%程度の対策コストをかければ気候変動の最悪の状況は避けられるが、行動しない場合の損害は毎年GDP5~20%に上ることを、経済モデルを用いた分析で明らかにした。

これに対し、昨年のノーベル経済学賞を受賞した米イエール大教授のウィリアム・ノードハウスは、スターン報告が「対策コストを低く見積もりすぎだ」と指摘するが、「カーボンプライシング(炭素の価格化)が温暖化対策に有効」という点では一致している。

気候変動ビジネスは、CO₂排出量の削減策が中心だったが、気候変動による影響を軽減する適応策の取り組みが存在感を増す。世界銀行グループは1月、気候変動への適応策のための直接的資金支援を21~25年度に500億ドルまで増やすと発表した。