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ユニークな企画展がたまらない ニュージーランド大使お気に入りの美術館

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東京ミッドタウン内にある「21_21 DESIGN SIGHT」。特徴のある大きな鉄板屋根は、一枚の布に見立てて設計された=2018年10月1日、東京都港区赤坂9丁目、岡雄一郎撮影

ニュージーランド大使の「私の東京」 日本で暮らす世界各国の大使館の人たちに、東京のお気に入りスポットを聞く「私の東京」。美術鑑賞が好きな駐日ニュージーランド大使のスティーブン・ペイトンさんは、不思議な企画展が人気を集める展示施設「21_21 DESIGN SIGHT」(港区)を紹介してくれました。(聞き手・岡雄一郎)

私のお気に入りは、東京ミッドタウン(港区)にある「21_21 DESIGN SIGHT」です。建築家・安藤忠雄さん設計の建物は、外観の派手さはありませんが、内部はまるで洞窟に入ったようで楽しい。東京メトロで乗り換えなしで行ける便利さもあり、よく訪ねています。

何より展示内容が魅力的です。様々なモノのデザインだけを集めた施設は、ほかに例がないでしょう。2014年の「コメ展」には戸惑いました。日本の誰もが知る米を、わざわざ展示する理由が分からなかったからです。でも、米にまつわる様々な商品や道具が並び、魅了されました。身近な製品のパッケージを分析してみせる「デザインの解剖展」も印象に残っています。日本の商品デザインには強さを感じます。

サントリー美術館や森美術館にも近く、美術鑑賞が好きな私にとって便利です。東京は緑が多く、歩いて楽しい街。大きなビルや寺社など、興味深い建物も多い。以前、銀座から大使館まで歩いて帰ったこともありました。

ニュージーランドにも、日本の方に訪ねてもらいたい美術館や博物館があります。港を望む景色も美しいオークランド博物館、先住民マオリ族の素晴らしい芸術作品を並べた国立博物館テ・パパ・トンガレワ、ゴベット・ブリュースター美術館では現代アートが楽しめます。

そしてニュージーランドといえばラグビー。ワールドカップ日本大会を前に、代表チーム・オールブラックスが来日しました。私たち国民にとって大切な存在で、その勇気や体力、メンバーの多様性は、ニュージーランド社会が尊重してきた価値を表しています。ぜひ多くの日本の方に、その姿を目にしてもらいたいですね。

21_21 DESIGN SIGHT> 様々なもののデザインの展示施設として、2007年に開館。デザイナーの三宅一生さん、グラフィックデザイナーの佐藤卓さん、プロダクトデザイナーの深澤直人さんがディレクターを務めている。雑貨や写真、土木、アスリートといった幅広いテーマを、斬新な方法で展示する企画展を催している。

ニュージーランド大使館> 所在地は渋谷区神山町。大使館のほかに、大使公邸や職員住宅などが並ぶ。敷地内には日本庭園があり、池で泳ぐニシキゴイや石灯籠(どうろう)が来客の目を楽しませる。石の仏像まで安置されているが、由来は「よく分からない」とペイトン大使。

(2018年10月19日付朝日新聞東京版掲載。肩書、年齢は掲載当時のものです)