[ムンバイ/ニューデリー 27日 ロイター] - インド政府は、重い学校かばんで子どもたちが猫背などの背骨の問題を抱える恐れがあるとの懸念から、学校に対し、生徒に重いかばんを持たせない、年少の子どもに宿題を出さないなどの対策実施を要請した。
政府は、やわらかく成長期にある背骨にものの重量がどのように影響するかを分析した研究を引用し、子どもの年齢に応じた学校かばんの重さの指針を作成。小学1・2年生の子どもについては、教科書を家に持って帰らずに済むよう、宿題を出さないことを勧告した。
インド商工会議所連合会が主要都市の子ども2500人超と保護者1000人に行った調査では、13歳未満の子どもの68%が軽度の背中の痛みに苦しむ可能性があり、この痛みは慢性的なものとなり、猫背になる恐れがあるとしている。また、7─13歳の子どもの88%以上が体重の45%を超える荷物を背負っていることも分かった。
ムンバイのあるマハラシュトラ州では、かばんの重量が子どもの体重の10%を超えないよう指定。これを受け、多くの学校が、教科書を学校に持ち込まずに済むようホワイトボードやプロジェクターを導入し始めている。
しかし地方の大半では、子どもたちは重いかばんを背負って長距離を歩かざるを得ない状況。子どもたちが教科書を頭に乗せるなどして川を渡っていることでも知られている。人口の最も多いウッタルプラデシュ州で子どもを学校に通わせる運転手の男性は、「体の弱い娘は、4─5キロの本を学校かばんに入れたうえ、別の袋に弁当と水を入れて持ち歩かなければならない」と訴えた。