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進化する家事用品 花王の戦略

LifeStyle
花王ホームケア事業グループのブランドマネジャー竹内賢一 photo:Tadama Emi

ひとくちに掃除といっても、使う道具も洗剤もきれいにする場所も時代とともに変わっていく。昨年末の大掃除商戦で生まれたヒット商品「マジックリン ピカッと輝くシート」(花王)も新しい市場を作ったと言われる掃除用品だ。

布状の薄いスポンジのような特殊な繊維で、水栓周りや鏡などに蓄積してこびりついた水アカやせっけんかすを取り除く。蛇口に水アカなどの汚れがあることを気にしている人の割合が68%にのぼるという調査結果に基づいて商品開発した。花王によると、発売1年で880万個の売り上げを記録。研磨シート類の市場規模を3倍に拡大させた。

「想像以上の反応でした」とホームケア事業グループのブランドマネジャー竹内賢一は話す。住宅環境や設備の進化によって、目に見える汚れは減っている時代にあって、メーカーとしては「いかに付加価値をつけて使っていただく場所を広げるか」を考えているという。「マジピカシート」も商品コンセプトは「おうちも気持ちも輝かせる」だ。

定番商品であっても、市場調査をもとにした細かな改良が欠かせないという。

浴室用洗剤の「バスマジックリン」は今年8月、18年ぶりに全面リニューアルした。バスタブを洗ったあと、泡をすすぐのに時間がかかることにストレスを感じている人が多かったため、新しい洗浄成分を入れて10%の節水を実現したほか、容器の形も変えた。スプレーのトリガーを人さし指1本で引く人にも、中指も入れて2本で引く人にも、薬指を入れた3本で引く人にも持ちやすくて引きやすいよう、なだらかな丸みを持たせた形に。日本人女性の指の長さの分布なども考慮したという。

「『家事リテラシー』は年々低下しており、若年層には掃除の仕方が伝わっておらず、なぜ掃除をするのか、やり方もわからないという人も多い。『ほこりの中には菌がいるんですよ』といった動機付けからやっていく時代になっています」と竹内は話す。
(田玉恵美)(文中敬称略)