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「韓流」の元祖はK-POPじゃなくテコンドー

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世界テコンドー連盟の楊鎮芳・事務局長=神谷毅撮影

――世界のテコンドー人口、道場の数について教えてください。

テコンドー人口は世界で1億です。世界全体の道場数は分かりませんが、韓国国内に1万、中国に3万、米国に3万あります。連盟の支部は世界206カ国・地域にあります。

――テコンドーがそんなに早い速度で世界に広まった理由は何だと考えますか?

まず西洋の国々が東洋の格闘技に興味を持った時期と関係していると思います。ブルース・リーや空手が西洋でブームになって東洋の格闘技が世界に広まっていった時期と、テコンドーの広がっていった時期が重なっているからです。

またテコンドーについては、武道というよりもスポーツとして世界に広めていったことが、一つの要因ではないでしょうか。格闘技からスポーツになったことで、多くの人が早く簡単に習えるようになったのです。1988年のソウル五輪で公開競技になったことも、人気が広がることにつながりました。

――ただ、人気だけでは世界に広まらないと思います。どう仕掛けたのでしょうか。

システムとして組織を統一化したことが大きいでしょうね。例えば空手はいろんな流派に組織が分かれていますが、テコンドーはそうではありません。1962年に大韓テコンドー協会をつくり、まず国内の組織を一つにしました。73年には世界テコンドー連盟を設け、世界組織として統一しました。

ポーズを取る世界テコンドー連盟の楊鎮芳・事務局長=神谷毅撮影

――指導者である師範を韓国から外国に送り込んだことも大きかったのでは?

その始まりは、60年代前半、ベトナム戦争中の南ベトナムにテコンドーの教官団を送ったことでした。現地で米国や豪州の軍人を指導しました。そこで学んだ外国の兵士が自国に帰った後、普及した例も多かったのです。

また当時、韓国は貧しかった。職を求めて海外に出る人も多く、テコンドーの師範たちも海を渡り、結果的に彼らがテコンドーを広めた。日本はそのころ豊かだったから、空手の師範が海外に出ていく必要はなかったのではないでしょうか。

――同じ武道でいえば、日本の柔道も世界化しています。広がり方に違いはありますか?

柔道はスポーツとして世界に広まるにつれ、日本だけのものではなくなっていきました。国際柔道連盟での日本の力も衰えて、トップも出せなくなりました。そういうところから教訓を得たことも多いのです。

テコンドーは、見方によっては韓流の元祖といってもいい。K-POPよりもはるか前に、世界に普及しているからです。

ヤン・ジンバン 1957年10月生まれ。テコンドー学科教授、大韓テコンドー協会の事務総長を経て、昨年から現職。