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五輪前から「五輪後」の計画を

World Now
「五輪会場だった公園を歩くと、感動を思い出して今でも笑顔になる」と話すピーター・フィッツボイドン

景気の低迷やスポーツ予算のカットという環境の悪さを考えれば、スポーツ人口が横ばいという結果も、それほど悪くはない状況だと思います。むしろ今後、スポーツ人口をどう増やしていくかが大事です。

市民は五輪で盛り上がりましたが、それと自分でスポーツをすることは、またちょっと違います。いまスポーツへの敷居を低くするために進めているのが、「オープン・データ・プロジェクト」です。ロンドンのすべてのスポーツ施設のデータを一つにまとめ、アクセスしやすくする取り組みです。

ここ数年で旅行やタクシーなどの予約する検索・予約システムはとても発達し、便利になりました。私たちのプロジェクトによって新しいシステムができれば、検索や予約が簡単になり、スポーツがもっと身近になると思います。

五輪後、国のスポーツ政策は大きく変わりました。伝統的なスポーツであるサッカーやラグビーなどに力を入れてきましたが、サイクリングやウォーキングなどにも広げています。スポーツによって人々が幸せになったか、健康になったかという尺度で政策を行うようになりました。それを実践するのが私たちの組織です。

スポーツ人口が横ばいといっても、五輪は多くのレガシー(遺産)を残しました。以前は聞いたこともないようなスポーツ、例えばテコンドーやハンドボールの競技人口が五輪をきっかけに増えました。五輪で使った素晴らしい競技場は、今も活躍しています。そして何より、五輪の思い出はなくならない。

2020年に五輪を行う東京にメッセージを送るとすれば、「レガシーについては五輪の後に考えるのではなく、今から考えて」と言いたいです。五輪は施設整備や安全、チケットの販売などやることはものすごく多いのですが、今から五輪の後のことを考えておくこと。それが大事です。五輪で盛り上がったスポーツへの意識を、五輪の後にどう市民のスポーツ参加につなげていくか、計画を立てておいてくださいとアドバイスしたいです。