1. HOME
  2. 契約書がAIで「生きた文書」に 締結後に始まる活用の可能性、ドキュサインが発表

契約書がAIで「生きた文書」に 締結後に始まる活用の可能性、ドキュサインが発表

Sponsored by ドキュサイン・ジャパン 公開日:
Docusign, Inc.のCEO、アラン・ティゲセン氏
Docusign, Inc.のCEO、アラン・ティゲセン氏=ドキュサイン・ジャパン提供

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに普及した電子契約だが、それでも契約書を作る際、相手側とのやり取りが何度も続いて最新版がわからなくなったり、締結後に契約書を見返そうとしても探し出すのに苦労したりする経験はないだろうか。そんな課題に対し、AIの力を駆使したソリューションを提供しているのが電子契約サービス大手のDocusign, Inc.(ドキュサイン、本社・米サンフランシスコ)だ。このほど開かれた日本法人主催のイベントで、同社幹部らが改めて「かゆいところに手が届く」サービスを紹介した。

イベントは「Docusign Momentum24 Tokyo」と題して10月10日に開かれた。登壇者らは「攻めの『契約』でビジネスが変わる!」とのテーマで、契約を単なる手続きではなく、ビジネスを成長させる「戦略的ツール」として活用する必要性などを訴えた。

基調講演の冒頭、同社の日本法人であるドキュサイン・ジャパン株式会社の竹内賢佑・取締役社長が「20年前、ドキュサインが電子署名で合意の方法を変えたように、私たちは今再び、契約のあり方を変革し、新しい時代を切り開こうとしています」と、契約業務のさらなる効率化を支援する姿勢を強調した。

登壇する竹内賢佑・取締役社長=ドキュサイン・ジャパン提供
登壇する竹内賢佑・取締役社長=ドキュサイン・ジャパン提供

続いて登壇したDocusign, Inc.のPresident and General Manager, Growth、ロバート・チャトワニ氏は「日本のビジネス環境は歴史的に、商習慣や社会に深く根付いている紙の書類や印鑑に依存してきました」とし、契約業務の効率化や生産性の向上は日本の商習慣に適した形で進める必要があると述べた。

Docusign, Inc.のPresident and General Manager, Growth、ロバート・チャトワニ氏
登壇するDocusign, Inc.のPresident and General Manager, Growth、ロバート・チャトワニ氏=ドキュサイン・ジャパン提供

契約業務は電子化の登場で一定の効率化が進んでいる。だが、同社の最高責任者(CEO)、アラン・ティゲセン氏は「確かに、今ではEメールを使ったり、クラウド上で共同作業を行ったりすることもありますが、それ以外は従来と変わらない方法で契約を管理しています」と語った。

ティゲセン氏は自らの発言を裏付けるかのようなデータを公表した。企業における契約書作成に関する調査結果によると、企業は年間、契約書の作成業務に平均2万5千時間、保管業務に6千時間、分析業務に1万4千時間それぞれ費やしており、「世界経済に300兆円もの損失」(ティゲセン氏)が生じているという。

Docusign, Inc.の最高責任者(CEO)、アラン・ティゲセン氏
Docusign, Inc.の最高責任者(CEO)、アラン・ティゲセン氏=ドキュサイン・ジャパン提供

こうした課題を受けて、企業の契約業務をさらに効率化するために、同社が導入しているのがAIを活用したインテリジェント契約管理システム(IAM)だ。日本でも「Docusign IAM」としてサービス提供を開始した。ティゲセン氏は言う。

「これまで、契約書の準備段階では、ワードプロセッサーでドラフトを作成し、関係者とメールでやり取りを重ね、最終的にはどれが最新版の契約書か誰も分からない状態になることも少なくありませんでした。Docusign IAMなら、事前に作成されたワークフローテンプレートを使用したり、ドラッグアンドドロップで独自のワークフローを作成したりすることができます」

また、締結した契約書を膨大な書類から探し出す作業についても、Docusign IAMは次の三つの形で力を発揮するという。

一つ目は「非構造化データを構造化データに変換する」こと。契約書は本来、データとしての分析や解析には適していない「非構造化コンテンツ」だが、それを論理的に整理することで、分析やレポーティング、検出を可能にするという。

二つ目は「専門家の代替ではなく、専門家を支援する」こと。契約書の要約や交渉、プロセスを最適化することができ、ユーザーをまるで「副操縦士」のようにサポートする。

三つ目は「契約を『生きた文書』に変える」こと。膨大な文字データである契約書の中から、重要な用語や概念を的確に抜き出し、それらの関係性を明らかにすると同時に、ほかの複数の契約書とビジネス成果との関連性を比べられるようにする。

Docusign IAMが目指すビジョンを実現するため、Docusign, Inc.は新たに三つのプラットフォームサービスを展開する。「Maestro」「App Center」「Navigator」で、Docusign, Inc. 最高製品責任者(CPO)、ディミトリ・クラコフスキー氏によるとそれぞれの主な機能は次の通り。

Maestroは、コードを書くことなく、契約プロセスのすべての段階を合理化できるワークフロー・プラットフォームサービスで、秘密保持契約(NDA)、販売契約、従業員オンボーディングなどに対応した「事前構築済みレシピ」を使い、エンドツーエンドのワークフローの自動化を同じ場所で設定できるという。

App Centerは、契約書とそれに関連するデータやワークフローをMicrosoft、Google、Salesforce、SAPといった他社のアプリケーションと簡単に接続できるプラットフォームサービスだ。データの「サイロ化」(データがほかのシステムと連携できず、分断された状態)や情報の不正確性、プロセスの分断を防ぐ。

Navigatorは、AIを活用し、Docusignアカウント内のすべての契約だけでなく、他のシステムにある契約を⾃動的かつインテリジェントに取得、保存、分析する「中央リポジトリ」(複数のメンバーが共同作業しやすいように設計されたファイルなどの保存場所)だ。締結済みの契約書を積極的に活用し、契約書からより多くの価値を引き出せるようにする。2025年の早い時期にリリースを予定している。

Docusign, Inc.は日本を戦略的市場と位置づけ、国内データセンターの開設やID Verification(本人確認ソリューション)の提供、日本語版のユーザーコミュニティーの設立などを発表した。

登壇するDocusign, Inc.の最高製品責任者(CPO)、ディミトリ・クラコフスキー
登壇するDocusign, Inc.の最高製品責任者(CPO)、ディミトリ・クラコフスキー氏=ドキュサイン・ジャパン提供