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女性省を「勧善懲悪省」に変えたタリバン政権、「女性は体を覆え」の新布告

ニューヨークタイムズ 世界の話題
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アフガニスタンの首都カブールのマーケットで、ブルカを着た女性たち=2021年11月2日、Kiana Hayeri/©2022 The New York Times

アフガニスタンのタリバン政権は5月7日、アフガンの女性は頭からつま先まですっぽり身体を覆う必要があると布告し、公の場における女性たちのほぼすべての面において影響を与えるやっかいな一連の制限を拡大した。

政府の勧善懲悪省は女性の顔や髪、身体を覆う好ましい衣服として、ブルカを推奨した。ただし、女性がヒジャブで身体を覆う限りにおいてはブルカの着用を義務づけることはなかった。

全身を覆うブルカは、アフガンの女性の公的な服装に関する古くからの家父長制の象徴であり、同省はそれを「望ましく完璧なヒジャブ」と表現した。ヒジャブは女性の髪と顔や身体の大部分ないしすべてを覆う衣服を指し、さまざまなバリエーションがある。

昨年8月にタリバンがアフガンの政権を握って以来、アフガン女性たちは雇用や教育、旅行、立ち居振る舞い、その他の公的生活の側面を規制する一連の発表に左右されてきた。多くの人たちは、全身を覆うブルカスタイルへの回帰は避けられない次のステップだと考えていた。

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世界食糧計画(WFP)が支援するアフガン南部カンダハルの診療所で、手当てを待つブルカ姿の女性や子どもたち=2021年10月21日、Jim Huylebroek/©2022 The New York Times

女性の手と足だけを見えるようにし、顔は目の部分が網状になっているブルカは、1996年から2001年までアフガンのほとんどを支配したタリバンによって(身につけることを)義務づけられた。

5月7日の勧善懲悪省による「ヒジャブ」の定義は、「短すぎたり、身体にぴったりしすぎたりしない」衣服と説明された。その意図するところは、女性の身体の輪郭をあいまいにすることだと同省はいう。

アフガンの国連ミッションは(女性は全身を覆えとする)法令を厳しく批判し、この武装集団がアフガンの合法的な政府として国際的な承認を得ようとする努力に新たなひずみを生むだろうと指摘した。

同ミッションはウェブサイトに載せた声明で、この法令は「過去10年間にわたる話し合いや交渉のなかで、タリバンの代表団が国際社会に提示した数多くの保証、つまり女性や少女を含むすべてのアフガン人の人権尊重や保護と矛盾する」と述べている。

数家族が連れ立ってのカブール郊外へのピクニックで、特産のスイカを子どもたちがほおばっていた。この人たちは今、どうしているだろうか=2003年2月、大野拓司撮影

ここ数カ月、タリバン政権の女性に関する公的な発表はしばしば解釈の余地を残したあいまいな言葉遣いによる宣言だった。タリバン政権は外交承認と人道支援を求めるため、米欧の非難を警戒し、多くの発表は推測や威嚇を狙ったものと受け止められた。

しかし、5月7日の発表は、政府のイスラム法解釈の執行に責任を負う勧善懲悪省が、今回の法令を守らない女性の家族長である男性への処罰を具体化したものだ。

3時間にわたった記者会見はブルカの宗教的美徳を強調する発言が大半を占め、同省の担当者とイスラム宗教家たちは、女性の服装に関する政府当局の警告を繰り返し無視する男性家族長の実刑を含む処罰の段階的強化について語った。

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首都カブールからカンダハルへ向かう幹線道路の脇を歩く女性=2021年12月8日、ガズニ、David Guttenfelder/©2022 The New York Times。ブルカを着ていた

勧善懲悪省の発表によると、女性が公の場で規定のヒジャブを着用しなかった場合、同省の担当者がその女性の家に行き、法令を守るよう家族長の男性に忠告する。

忠告に従わなければ、同省に呼び出され、それでも指針に従わなかった場合、その男性は3日間投獄されることになる。

同省担当者によると、実刑でも法令を順守しない場合、その男性はさらなる処罰のための宗教裁判所への出頭を求められる。

発表によると、公の場で全身を覆わない妻や娘の男性公務員は停職あるいは解雇の対象になる。また、比較的少ないが、看護師や医師、教員など職に就くことを許されている女性も法令に従わなければ解雇される可能性がある。

カブールのブルカを売る店=2003年2月、大野拓司撮影

「我々は、我らが姉妹に尊厳を持ち安全に暮らしてほしいと願っている」。勧善懲悪大臣のハリド・ハナフィーは、そう述べている。

同省担当者のシル・ムハンマドは声明で、「尊厳あるすべてのアフガン女性」は頭からつま先まで全身を覆うべきであるとしている。「高齢や幼くない女性は、目を除いて顔を覆う必要がある」と付け加えている。

タリバンが昨年8月に政権を握って以来、首都カブールではより多くの女性がブルカを着用するようになってきたようにみえる。だが、カブールの路上では、女性の大多数が着用しているのはヒジャブの全身バージョンではないもので、多くは髪だけを覆い、顔はほとんどか、すべてが見えている。

欧米の支援を受けた前政権下でさえ、多くの女性たち、とりわけ地方の田舎や小さな町の女性はブルカの着用を続けていた。ブルカの歴史はアフガンの何世代も前にまでさかのぼることができ、1990年代にタリバンが台頭するずっと以前の保守的なアフガン文化の所産でもあるのだ。

最初のタリバン政権が倒れて2年後の2003年2月、アフガンに自由の空気が広がり、女性たちも大学生活を満喫していた=国立カブール大学、大野拓司撮影

タリバン政権は昨年9月、前政権の女性省を勧善懲悪省に改変した。90年代のタリバン政権の下では、公共の場でブルカを着用しなかった女性たちはしばしば「勧善懲悪」に立つ宗教警察に殴打され、男性の親戚にも警告が発せられた。(抄訳)

(David Zucchino and Safiullah Padshah)©2022 The New York Times

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