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なぜ0歳からの幼児教育が大切なのか ユニセフも重視する「人生最初の1000日」

アグネスの子育てレシピ
アグネス・チャンさんと生まれたばかりの長男
アグネス・チャンさんと生まれたばかりの長男(アグネスさん提供)

「 0歳から教育なんてありえない!」

「そんな早くから教育ってできるの?」

「まだ寝てばっかりで、何もわからないでしょう」

そう思う人もいるかもしれません。
教育といっても、勉強ではないです。
教育とは、子どもがもともと生まれながらにして持っている才能や可能性を最大限に伸ばしてあげることです。
そういう意味で、0歳から子供の可能性を伸ばすことが色々あります。

子どもの脳の発育の80%は、3歳までに完成すると言われています。
0歳は脳の成長の黄金期です。
この時期を逃すことはとてももったいないです。
この時期に覚えたことは記憶に残っていないものが多いですよね。
意識して学んだものは直しやすいですが、無意識に学習したもの、体験したことはそのまま無意識の中に残り、簡単には直せないのです。
負の思い出を子供の心の底にため込みたくないのならば、この時期にいい思い出、前向きな思想を、いっぱい子供の心に詰め込みましょう。
成長していく段階で、前向きなエネルギーが心にあると、問題はあまり起きません。
しかし、心が弱っている、あるいは負のエネルギーがあると、いろんな問題が起きやすくなります。
生まれてからの12ヶ月の子育てを一生懸命やれば、子供に丈夫な脳としなやかな心の基盤ができます。

はじめての子供が産まれると、親にとっても、毎日が新しいチャレンジです。
そこで壁にぶつかると、ストレスになり、自信をなくして、子育ては辛いと思ってしまいます。
それを防ぐためには、知識が大切です。
新米ママの一人が私に、
「なんでこんなにミルクを飲む回数が多いの?もうちょっと、いっぺんに飲んで欲しい」というのです。
「新生児の胃はクルミくらいの大きさしかないので、一回たくさん飲むことができないのよ」と教えてあげたら、
「そうか!文句を言ってごめんね」とお母さんは笑顔になり赤ちゃんに謝りました。
「泣き止まないので、イライラなってしまいます」と別の母親は言います。
「赤ちゃんは泣くのが唯一のコミュニケーション方法なんです。注意深く聞いてあげると、要求がわかるようになるのよ」と助言したら、
数週間後、「本当にわかるようになった!ミルクが欲しがる時と眠い時の泣き方が違うんですね」と喜んで私に報告してくれました。
このように、ちょっとした知識により育児のイライラを和らげることができます。

赤ちゃんとミルクボトル
写真はイメージ(Getty Images)

「寝てくれなくって、私も疲れてしまいます」と若いお母さんは言います。
実は新生児はよく寝るのです。ただ小刻みで寝るので、大人はそれに付き合っていると疲れてしまいます。
赤ちゃんは2、3時間しか続けて眠られないので、赤ちゃんが寝ている間に家事をしろうとすると、すぐに赤ちゃんが起きてしまい、赤ちゃんの世話をしないといけない。この繰り返しで、当然疲れてしまいます。
解決方法としては、「赤ちゃんが寝たら、お母さんも寝る」ことです。
新生児は1日の中で16~18時間寝ているのです。
「寝ない」というのは親が寝て欲しい時に寝てないだけです。
これを理解して、1日のなかで赤ちゃんと一緒に仮眠すれば、お母さんも睡眠が取れます。
ちょっとした知識が難題を解決するのです。
知識があれば、赤ちゃんの行動が想定内になって、慌てることもびっくりすることもないので、プランニングができます。だから、できるだけ、頼りになる確かな知識を得ることが子育ての悩みを減らす最高の方法です。

0歳から脳が鍛えられるというと、みんなはびっくりします。
実際に新生児の脳細胞の数はみんな大体同じです。
でも環境によって、脳細胞をつなぐシナプスの数は変わっていきます。
シナプスは情報の運び屋、人間の全ての行動を左右します。
たくさんのシナプスがあれば、まるで脳のなかには高速道路があるような感じになります。
シナプスが少ないと、一般道路しかない状態なのです。
つまり、シナプスがたくさんあると、一般道路で遠回りすることなく、高速道路で短い距離でたどり着けて、速度が速いのです。
0歳の間にシナプスは毎日、驚くほど作られていきます。
シナプスは赤ちゃんが新しい物に触れることによってできるのです。
だから毎日、毎日たくさんの新しい体験を赤ちゃんに提供したいのです。
話をかける、歌を歌ってあげる、マッサージをしてあげる、外に出て、いろんなものに触れたり、見たり、聞いたりするようにする。
できるだけ、新しい情報を赤ちゃんに体験させることで、赤ちゃんの脳の成長が健やかになります。
ただ寝ていて、あまりかまってもらえない赤ちゃんだと、脳の成長が遅くなってしまいます。

リビングルームで母親の助けを借りて歩くことを学ぶ幸せな小さな赤ちゃん
写真はイメージ(Getty Images)

さらにこの時期に、赤ちゃんは人間との付き合いで、人を信頼したり、好きになったり、自分は価値ある存在であることを学んだりしていきます。
自分の世話ができない赤ちゃんは人に頼って生きていかなければいけません。
自分で動けない、自分で食べ物を探せない、不安だらけの人生のスタートです。
そこで、自分が泣いたらすぐに駆けつけてくれる人がいて、お腹が空いたらミルクを飲ましてくれる人がいて、気持ちが悪くなった時にオムツを替えてくれる人がいると、この世の中は悪くない、自分は愛されるべき存在なのだと学びます。
優しい声で話をかけてくれるお母さん、慰めてくれるお父さんを、大好きになっていきます。
愛する、愛される、自己肯定感、人を信頼するという人間の幸せにつながる大切な心の基盤が作り上げられていくのです。
12カ月の間に、思いやり、分かち合い、人と触れ合う喜びも赤ちゃんに教えることができます。
逆に、もし泣いても誰も来ない、お腹が空いてもすぐにミルクを与えてもらえない、優しい声で話してくれる人もいないと、赤ちゃんは「自分は愛されていない、世の中は厳しい、信頼する人もいない」と無意識に覚えてしまいます。
その結果、大人になって、自己肯定力が低く、人を信頼することが中々できない、ポシティブにものごとを考えることができないというマイナスを抱える可能性があります。
だからこそ、最初の12カ月に、赤ちゃんに愛に満ちあふれている状況の中で過ごしてもらいたいです。
赤ちゃんがハッピーであれば、ママもハッピー。育児の疲れも、ストレスも感じなくなります。
そして、ハッピーな赤ちゃんは扱いやすいので、その後の子育ても楽になります。

アグネス・チャンさんと生まれたばかりの長男
アグネス・チャンさんと生まれたばかりの長男(アグネスさん提供)

私は息子たちの最初の12カ月をとっても大切にしました。
毎日できるだけ一緒に過ごして、強い親子関係を築きました。
赤ちゃんの学ぶ意欲を引き出してはいろんな体験をさせました。
抱っこ、おんぶで自分の体温と心臓の音で赤ちゃんを安心させました。
絶えず話しかけました。
「相手は赤ちゃん、反応もないし、話す内容がないよ」と友達は言います。
確かにそうですが、私は自分がやっていることをラジオ中継のように話すのです。
「今ママ外へ出るよ。見て、これドアー。開けるよ。おっ、開いたよ!おー風が頬に当たるね……」と、ずっと話すのです。
そうすることによって、赤ちゃんの単語量が増えるのです。いざ、赤ちゃんがしゃべり出す時に、表現力も単語量も驚くほど豊かになります。

「歌を歌うというけど、歌手でないので、上手くないのよ」と友達が言います。
赤ちゃんは、お母さんの歌を必ず好きになります。
音痴であろうと、音が外れようと、お母さんの声が大好きなのです。
お腹の中からきいているおなじみの声なので、赤ちゃんにとっては最高の音楽です。
だから、上手い下手は関係ないのです。
歌を歌ってあげて、リズム感、楽しさを感じさせることはとっても大事です。
私は世界の童謡と子守唄を覚えて、よく歌いました。
寝かす前によく歌ったので、そのうちに赤ちゃんに寝て欲しい時に歌い出すと、寝てくれるようになりました。
赤ちゃんを抱っこして、踊ったりすることもよくやりました。
赤ちゃんは大喜び、声を出して笑ってくれたりして、楽しかったです。
赤ちゃんが泣き止まないと、私はよく大気に触れるためにおんぶして、外へ散歩に出ました。
不思議と大気を浴びると、赤ちゃんは泣き止むのです。
一緒に遊べる方法をいっぱい考えて、本当に面白かったです。お母さんが楽しんでいると、赤ちゃんもニコニコ、子育てをエンジョイできるのです。

日本は今深刻な少子化です。
原因は多岐にわたっていて複雑ですが、その原因のひとつに、子育てのへ不安があるように思います。
私のアドバイスが、みんなの不安を取り除くことに役立てばうれしいです。

増えてきているひとりっ子の家庭では、きょうだいがいない分、赤ちゃんが受ける刺激が減ります。
それに対応して、お母さん、お父さんにこの時期の大切さを知ることがとても肝心です。
共働きで赤ちゃんを預ける家庭も多いです。だから、お母さん、お父さんだけでなく、保育者にもこの時期の大切さを知って欲しいと思います。
繰り返しになりますが、人間形成は妊娠した時から始まっています。
そして生まれてからの12カ月が、赤ちゃんの一生に影響を与えてしまいます。
子育て中の方、これから親になろうとする方、いつかは結婚して子供が欲しい方に、是非是非、0歳からの教育に関心を持っていただきたいです。