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世界のサッカーを最新技術で支える日本人 各地で積んだ経験、次はマレーシアへ

私の海外サバイバル
2018年4月、ロシア・サンクトペテルブルクのスタジアムで。職員として勤務していたクラブチーム「FCゼニト」のホームゲーム前に業務の準備

■私のON

ワールドカップ(W杯)では14年のブラジル大会からゴールラインテクノロジーが導入されました。複数のハイスピードカメラで様々な角度から撮影したリプレー映像を使い、ボールがゴールラインを超えているかどうかの判定を審判がします。常に新しい技術が出てきて、いまでは、例えば30秒前のリプレー映像をiPadで確認し、それを編集してデータ化することで、途中で試合入りする交代選手に、自分がマークする相手選手の動き方をあらかじめ伝えることもできます。

欧州ではすでに各国で導入が進むVARなどの最新技術ですが、アジアでは徐々に導入する国が増えているところ。Jリーグは昨年導入の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で今季21年に先送りされました。ただ、将来的には、VARなどのシステムは世界の標準になっていくと考えています。

20年はコロナの影響が色濃くでました。AFCの本部があるクアラルンプールに昨年5月から住む予定でしたが遅れています。そのため、埼玉県の実家を一時的な拠点に、オンラインでミーティングなどをしながら、AFCが関係する国際大会の会場へ出張する1年でした。

通常はホーム・アンド・アウェー方式で行われるクラブチームのアジア・チャンピオンズリーグが、コロナ対応でカタールでの集中開催となりました。AFCの一員としてドーハに出張しましたが、感染防止で外部との接触を遮断するため、ホテル、スタジアム、練習場のみの訪問しか許可されない状況でした。食事もホテル内でとり、外出はできませんでした。

大学までサッカーをしていました。英系金融大手のHSBCに就職し、その後、ブルームバーグに転職しましたが、自分のやりたい仕事なのかどうか疑問を抱き、NPO法人クロスフィールズに移りました。日本の企業で働く人が新興国のNPOなどで本業のスキルを生かし、社会課題の解決に取り組む「留職」事業をしているNPO法人で、働く意義や志を大事にされていました。自分自身にとっても本当にやりたいことを見つめ直す場所になりました。

やはり仕事でもサッカーに関わっていたい。17年8月から当時スペイン3部リーグ(現在は1部リーグ)だったサッカークラブ「エルチェCF」で働くことになり、スペインに渡りました。セールスマーケティングの仕事をしつつ、日本企業のスポンサー探しやイベントなどの企画もしました。

勤務したスペインのチームの催しに参加

18年2月からはロシア・プレミアリーグの「FCゼニト」のPR部門に就職し、拠点のサンクトペテルブルクに在住。ウェブサイトやSNSによる海外発信や情報分析をするデジタルマーケティングの仕事などにあたりました。ちょうどロシアW杯と重なり、日本代表の試合でもお手伝いさせてもらいました。日本語と英語、ロシア語とスペイン語で日常会話ができます。

2020年12月、カタールのスタジアムで、サッカーの国際大会に向けて準備作業中

ノウハウや経験を積み重ねるなか、自分だからこそプラスアルファできる仕事、専門性が重要だと考えるようになりました。そんな時に声をかけられたのがAFCでの仕事。フットボールテクノロジーという新しい分野で、これまで培ってきた企画力やマーケティング能力、PRに調整力などを駆使し、自分独自の専門性を追求していきたいです。

■私のOFF

コロナの影響でまだ引っ越しができないマレーシアですが、入国自体が初めてになるので楽しみです。

スペインやロシアに住んでいた時は散歩をよくしました。ロシア人は散歩が好きで、真冬でもとても長い距離を歩くんですよ。

また私は様々な本を買い集めるのが好きなので、ロシアでは現地の本屋をよく回りました。同じ歴史の本の英語版とロシア語版を買い、同じことが書かれているのかの比較もよくしていました。

スペインでは近くにアリカンテという観光地があったので、地中海の海やビーチに行ったり、友達とご飯を食べたりしました。

2017年12月、スペインの首都マドリードで友人と一緒に食事

コロナ感染が収束してマレーシアに住むことができるようになるまでは一時的に日本にいますが、それでもAFCのメンバーらとオンラインや電話でのミーティングばかりの毎日で、結構忙しいです。英国やアラブ首長国連邦、タイやマレーシアなどとつないで話をしています。

サッカーに関わる仕事を始めて以降、余暇でも急に仕事が入ることはよくあり、ONとOFFが混在する生活を送ってきました。世間ではコロナ禍で在宅勤務が進み、生活様式に変化が起きていますが、自宅からオンラインで仕事をすることも以前からよくあったので、私の働き方には、それほど大きな変化を感じていません。(構成・GLOBE記者 山本大輔)