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清貧の牧師の言葉から学ぶ、ビジネスシーンで"heart"を使いこなす

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語
安河内哲也撮影

■今週の名言

Refuse to be average. Let your heart soar as high as it will.

(標準であることを拒みなさい。望むところまで心を高揚させておこう)

■名言を味わう

直訳すると「標準(平均)であることを拒否しなさい。あなたの心が高揚しようとするほどの高さまで高揚させておけばいい」となります。

標準であることに甘んじず、志をできるだけ高く持って生きていこう、というメッセージが込められた言葉なのではないでしょうか。

社会に出れば「こうあるべし!」といった規範や制約がたくさんあったりして、人はどうしても形にはまってしまいがち。でも人間には元来どこかで、舞い上がっていきたい、飛び立っていきたいと感じるような特性があるような気もします。

自然な欲求として出てくる、気分を高揚させてウワッと盛り上がる、そんな自分を抑制し続けるのはもうやめよう。高揚感を認め開放し、舞い上がれるところまで上がってみる。本能に従って気持ちを高めたときに見えてくる景色は、仕事でもプライベートでも、ずいぶんと変わってくるのかもしれません。

■名言の単語ピックアップ

heart

心臓、胸、心、心情、気分

heart=心臓。誰もが知るheartですが、日本語の「心臓」以上に、汎用性が高い英単語です。この機会にじっくり見ていきましょう。

まずは発音に注意です。heartのearの発音は、例えば「聞く」のhearの過去形、過去分詞形であるheardのearのような、一般的な英語のearとは異なります。heardのearは、口の中の上の壁と舌の先の間で小さな穴を作ってそこから「ァーr」と濁った音を出す発音です。earを含む大半の単語はこの発音になります(clearやearthなど)。

けれどもheartは例外的に、日本語の「アー」を伸ばしたような「ハート」に近い発音になります。だからhearのような、日本人が苦手とする、いわゆる英語のrの発音をheartは有していません。heartは、日本人にとってはある意味発音がしやすいと言えるでしょう。ですから、なおのこと「r」を強調して発音しないように。

逆に英語のrを使って発音するのは「傷つける」のhurtになります。heartもhurtもカタカタにすると「ハート」ですが、英語では発音の変化を意識してくださいね。

綴りと発音はある程度相関関係があるのでルールを知っておくと便利ですが、heartのような例外もあるわけです。ルールは絶対ではないことも覚えておきましょう。

もともとのheartの意味は「心臓」です。心臓の近くにある「胸」と訳される場合もあります。heart diseaseで「心臓疾患」、heart failureで「心不全」、heart problemで「心臓障害」となります。

心臓は血液を送り出す器官ですから、人体の中心だと考えられています。そこから派生して、人間としての感情的な「心」というような意味でheartが使われることも非常に多くあります。特に優しい心を表す言葉として「心情」「気分」「愛情」「同情心」「感情」などなど、幅広い意味を表します。

例えば、こんな感じです。

Our boss has a good heart.

(我々の上司は、温かい心の持ち主だ)
*warm heartとしても同じ。big heart(大らか)、gentle heart(優しい)といった表現もある。

My heart sank when I heard the news.

(その知らせを聞いて私は落胆した)

*heart sinkで「気落ちする、がっかりする」といった意味になる。

さらには心臓(heart)が体の中心というところから、問題などの「核心」「本質」「急所」という意味もあります。

Let’s get to the heart of the problem.

(問題の核心に触れましょう)

*会議や議論などで本題をぶっちゃけて話したい、話しましょう!と舵を取るのに最適な一言。

また実際の場所の「中心(部)」という意味でも用いられます。

Their headquarters is located in the heart of the city.

(あの会社の本社は都心のど真ん中にある)

*located in the cityよりも、the heart ofが挿入されることで、「都心でもより一層中心部」なのが強調される。

ビジネスで困ったときに使える、heart込みのとっておき表現もあります。

Have a heart and give us a hand!

(どうかお願いですからウチらを助けてください!)

*have a heartで「情け深い心を持つ」「親切にする」といった意味になる。

無理難題を押し付けられたときは、涙目でこのフレーズを盛り込むといいでしょう。

Finish the presentation by the end of the day? Have a heart! I Just got back from my business trip.

(プレゼンを今日中に仕上げる? 勘弁してくださいよ! 出張から戻ったばかりなんですから)

そのほかにも、heart to heart(腹を割って)を使ってI‘d like to chat with you heart to heart.(あなたと腹を割って話したい)と言ったり、sweetheartで「恋人」または「(恋人に呼びかけて)あなた」となったり……。heartの用途は実はまだたくさんあります。

「のみの心臓」「強心臓」「経済の心臓部」など、日本語でも心臓は比喩でよく使われますが、英語のheartはさらに広く比喩的な意味を持った単語と言えるでしょう。時間があるときにheartの欄をぜひ辞書でチェックしてみて。

比喩的なheartをうまく使いこなせると、英語の表現力の幅が広がりますよ。a strong heart(強い心)を持って、しっかり学習してください!

■名言を解剖する

Refuse to be average. Let your heart soar as high as it will.

(標準であることを拒みなさい。望むところまで心を高揚させておこう)

refuse、letとどちらの文も、動詞の原形で始まっていますので命令文の形となります。ただ、ここではゴリゴリの命令というよりは、シンプルな命令形を使ったアドバイスです。

refuseは「拒む」ですから、be average(標準であること)を拒否しろ、ということです。ちなみに標準以下はbelow average、標準以上はabove averageと言います。

letは「させる」でしたね。let +目的語+原形動詞という形で「(目的語に)〜させる/させてやる」という許可や、「(目的語に)〜させておく」という放任を表すことができます。

let your heartの直後の動詞は「舞い上がる」という意味のsoarです。「あなたの心を舞い上がらせなさい、舞い上がらせておきなさい」と言っています。

単語ピックアップで説明したように、比喩のheartにはいろんな訳が該当するので、名言の和訳でもどの言葉を当てはめるか悩むところです。「元気」「気力」「勇気」などと大胆に意訳してみてもいいかもしれません。正解は1つではないので、自分の中でいちばんしっくりくる語を使ってみてください。

原形動詞のあとはas high as it willとなっています。as ... asで「〜と同じくらい」という意味ですから、as high asで「〜と同じ高さくらい」となります。「〜」の部分はit willが入りますが、ここでのitは何を指すでしょう? 正解はそう、your heartです。

willは「〜するつもりである」という意志を持った助動詞です。何をするのかというとsoarですから、「your heartを好きなだけ舞い上がらせておきなさい」と言っているわけです。

今回の名言は何と言っても2文目が肝。英語学習もlet your heart soarにして頑張っていきましょう!

■今週の1枚

写真にハマったのはここ数年ですが、もう1つの趣味バイクは、もうずいぶん長いことやっています。以前は大型でしたが、寄る年波には勝てず(笑)、今は中型のバイクに乗っています。小さなカメラをバックパックに入れ、愛車でうろちょろするのが私にとっては最高に楽しい休みだったりします。

この写真は、千葉県某所にツーリングに行ったときに撮影しました。港の船とトラック、そして夕方の太陽と波がいい感じだと思い、地べたに寝転んでシャッターを押しました。とその瞬間、カモメでしょうか? 鳥が一羽、ベストのポジションに“友情出演”してくれました。Thank you, Birdie. You have a good heart!(鳥さん、ありがとう。いいやつだよ、君は!)

さて次週(3月30日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、メキシコ系アメリカ人のプロボクサー、アンディ・ルイス・ジュニアの言葉をフィーチャーします。Destroyer(破壊者)というニックネームからは想像できない、静かに心に響くメッセージは意外性たっぷりだと思います。

どうぞお楽しみに。See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。