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【英語の名言で学ぶ】ビジネスの成功は飛行機から学べ 自動車王フォードの至言

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語 更新日: 公開日:
写真・安河内哲也

■今週の名言

When everything seems to be going against you, remember that the airplane takes off against the wind, not with it.
(自分に逆風が吹きまくっていると感じるときは、思い出してみよう。飛行機は向かい風によって離陸するのであって、追い風に乗ってではないことを)

今週の名言のポイントを、安河内先生が動画で解説

■名言を味わう

仕事も勉強も常に順風満帆であれば最高ですが、そんな幸運な人はごくわずか。この名言が示唆するのは、「物事が思うように進まないときこそ、人やビジネスは成長に向かって飛躍できる」ということでしょう。

同じ滑走路でも飛行機が日によって飛び立つ方向が違うのは、風が吹いてくる方向に向かって離陸するためです。風に向かって飛び立つ飛行機のように、人生や仕事上の困難にも立ち向かっていきたいもの。

航空力学を踏まえてのこの教訓、さすがは発明王エジソンに学んでT型フォードを開発したフォードならではですね。彼はほかにも味わい深い名言をたくさん残しているので、ぜひチェックしてみてください。

■名言の単語ピックアップ

against
「〜に対して」(前置詞)

今週の仕事で使える英単語はagainstです。 againstは「〜に対して」と最初に覚えることが多いと思いますが、日本語の「〜に対して」よりは、反対する意味合いがもっと強い前置詞です。

仕事上で自分の反対の意思を表す場合には、Regrettably, I’m against the project. (残念ながら私はそのプロジェクトに反対です)などと言います。be againstで「〜に関して反対である」という意味です。

欧米など海外の会議では、自分の立場を明確にしないと「何を考えているのかわからない」と思われかねません。反対の意見であってもはっきり伝えたほうがいい場合が多々あります。

もちろん、I’m against it.だけでは、つっけんどんで好戦的な姿勢が前面に出すぎてしまうので、I’m sorry to say this, but I’m against it.やI’m afraid I’m against it.のように、 冒頭で「残念ながら」とワンクッション置くほうが心象を悪くしないでしょう。

逆に「私はこのプランに賛成です」と言いたい場合は、I’m for the plan.と前置詞forを使います。againstは反対、forは賛成の前置詞。自分の反対、賛成の立場を表明する鉄板表現としてbe against、be forを覚えておきましょう。

では、againstを使った、短くて便利なフレーズを3つ紹介します。

I’m afraid I’m (very much) against their proposal.
(残念ながら彼らの提案には<大>反対です)
*大反対の「大」は例文のように「very much」を入れればOK。

Against all odds, we beat our competitors' sales figures last quarter.
(あらゆる予想を覆して、前の四半期で我が社は競合他社を売上高で打ち負かした)
*against all oddsで「あらゆる予想を覆して」「大きな困難にもかかわらず」「ほとんど勝ち目がないのに」といった意味になる。

What’s the current exchange rate of the yen against the dollar?
(円ドルの今の為替相場はいくらですか?)
*againstは「〜に対する」→「〜と引き換えに」と言う意味に。exchange rateは、「為替相場」のこと。

■名言を解剖する

When everything seems to be going against you, remember that the airplane takes off against the wind, not with it.
(自分に逆風が吹きまくっていると感じるときは、思い出してみよう。飛行機は向かい風によって離陸するのであって、追い風に乗ってではないことを)

冒頭のwhenは、ここではつなぎの言葉として使われていて、「〜が〜するとき」という意味になります。seems to…は「〜しているように思える」という意味。againstは前置詞で「〜に対して」、そこから「〜に逆らって」となります。ここまでを直訳すると「何もかもがあなたの反対に進んでいると思えるとき」です。

主文(主節)は、remember以下。いきなりrememberで始まっていますが、このように文が動詞の原形で始まる場合は命令文でしたね。ですから「覚えておきなさい」となります。thatから文末までが1つの名詞の働きをする節を作っていて、「that以下の内容を覚えておいて」と言っています。

take offは「(飛行機が)離陸する」という意味。どう離陸するかはagainst the wind(風に逆らって)で説明しています。つまり、「風が吹いてくるのとは反対の方向で離陸する」と言っているわけです。文末のitはthe windのこと。not with itとあるので「風と一緒の方向ではなくて」という意味になります。

■今週の1枚

福岡空港での1枚です。出張帰りの便のtakeoffまで時間があったので滑走路の端まで歩いて行き、野原に寝転んで飛行機を見上げて撮りました。

英語を学ぶときは、必ず英文を音読しましょう。目と耳と口をフル活用した音読学習は、リスニングとスピーキング上達を早めてくれますよ。何度も繰り返して暗唱できるまでになれば、今日の勉強は大成功です。

次週(9月16日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」では、新聞業界でのちに大成功を収める人物が、若くして立ち上げたベンチャー企業を速攻で倒産させてみて悟った教訓を紹介します。この名言を知れば失敗なんて恐くなくなるかも? 

それでは、お楽しみに! See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。