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フィジーで十数年暮らして見つけた「幸せのための4つの習慣」

私の海外サバイバル
船の上で、長男の羅羽くんと=永崎さん提供

■私のON

フィジーは、英語の初心者が学ぶのに最適な地だと思います。ここにはフィジー系とインド系の人々が暮らしていますが、公用語は英語です。ふだんはフィジー語を話す人たちにとっても英語は第二外国語のようなもの。習得する苦労も分かっているので、ゆっくり丁寧に話してくれます。何よりフレンドリーな人たちなので、一歩外へ出れば誰でも気軽に話しかけてくれて、自然と生の英語に触れる機会も増えます。

地元の高校生にアンケートをとる語学学校の生徒(写真右)=永崎さん提供

学校の理念は「ライフスタイルをアップデートすること」です。フィジーは「世界幸福度ランキング」で何度も1位になったことのある国。生徒には、文化や習慣にも存分に触れてもらおうとフィールドワークの時間も多く設けています。昼食に弁当をたくさん買って地元の人の家で一緒に食べてみたり、日本流のメイクを地元の女性に施したり。新たな自分を見つけられる機会を得られたらと思っています。生徒の人生相談に乗りますし、一緒にボランティア活動もします。なるべく多くの時間を生徒と過ごしたいと思っています。

大学卒業後、日本企業でSE(システムエンジニア)として身を粉にして働いていました。入社3年目のある日。ふと手に取った経済誌の「世界でもっとも住みやすい都市ランキング」を見て、日本以上に合う国を探してみたい衝動にかられました。半年後には仕事を辞め、世界一周の旅に出ました。

オセアニアや中南米、北米、中東、アフリカ、ヨーロッパ、アジア……。2年2カ月かけて約80カ国を回りましたが、住みたい国は見つかりませんでした。また日本に住むんだろうな。漠然とそう思いながら、旅の集大成として内閣府が実施する「世界青年の船」に参加しました。世界中から集まってくる参加者の中にいた10人のフィジーの人たちとの出会いが、その後の人生を大きく変えることになりました。

海ではしゃぐ大人たち=永崎さん提供

目が合うだけですぐに最高の笑みで話しかけてくれました。それにいつだって笑顔。海外で子どもたちの笑顔はたくさん見てきたけれど、ここまで楽しそうな大人には出会ったことがありませんでした。「こんなに幸せそうな人たちと暮らしてみたら、価値観がまるごとひっくり返るような経験ができるかもしれない」。行ったこともなかったフィジーに住むことに決めました。

14カ国で語学留学してきた経験を生かそうと、フィジーの語学学校でマネジャーになりました。様々な背景を持った人たちと「語学の上達」という同じ目的に向かって思いを共有する時間を過ごすのが好きだったんだと思います。

フィジーで暮らしてみて、驚いたことはたくさんあります。洋服は他人のものを勝手に借りて着ていくし、帰りの交通費を持っていなくてもどこへでも行きます。飲食店に行けば、注文したものとは別の料理が運ばれてくることも日常茶飯事です。仕事でミスをしても反省しないし、未来も考えません。「なんて非常識なんだ」と憤ったこともありました。でも、なんでも共有し、適当に生き、今に集中して、つながりを大事にすること。この四つの習慣こそが、幸せの法則ではないかと思うようになりました。今は、こうしたフィジーの人たちの習慣を多くの人に伝えて、「幸せ」について考えて欲しいと願っています。

交通整理中の警察官。両耳にハイビスカスの花をつけ、歌ったり踊ったりしていた=永崎さん提供

1年のうちに最低でも1カ月、多いときは半年ほど日本にも行きます。日本にいると電車に乗っていても、広告や映像でたくさんの情報が目に飛び込んできます。そんな環境に置かれると自然とモードが切り替わるのか、人事やコーチングなどのセミナーや勉強会などをここぞとばかりに詰め込みます。最近は、「幸せな生き方」をテーマにした講演に招かれる機会も増えました。

フィジーで時間に余裕をもった暮らしを送り、日本で慌ただしく生活する。インプットとアウトプットのバランスがとれています。

フィジーで暮らして一番変わったのは、「今」に集中するようになったことです。日本にいた頃は「将来のために成長したい」「ストイックでなければ」と思っていました。アルバイトもあえて初めの1週間で辞めてみたり、海外旅行も0泊や1泊を繰り返してみたり。常に人生の目標を中長期で立てて、想像しては疲れていました。

でも、今に集中するようになったことで、大事なものを選択する気持ちが研ぎ澄まされたと思っています。

実は40歳になるのを機に、それまで働いていた語学学校のマネジャーを辞めました。人生100年時代。これからの人生をどう生きたいか。1年間休んで考えました。結局、新設した他の語学学校の校長として働くことになりました。

これからのことですか?

今に集中しているので、考えていません。今を満ち足りた状態にすることが、未来につながると考えています。

■私のOFF

語学学校の同僚だった妻(36)と2014年に結婚し、長男(4)と長女(1)の4人で暮らしています。車を走らせて近くの海に行ったり、芝生の上で走り回ったり。オフは、家族で過ごします。

長男の羅羽くん(写真左)と遊ぶ地元の子どもたち=永崎さん提供

長女は1歳になったばかりで、まだ家にいる時間が長いので、長男と2人で出かけることも多いです。趣味のテニスとスケボーも、一緒に楽しんでいます。海やプールも行きますし、ちょっと時間ができると2人で旅行にも出かけます。

家の中では将棋をしたり、ポケモンごっこをしたり。ポケモンはテレビで放映されていないので、オーストラリア旅行で買った「ポケモン図鑑」をボロボロになるまで読み込んでいます。

フィジーの人たちは、とにかく人なつっこいです。初対面でも5分話せば、もう親友。「今からうちでごはん食べない?」と誘われます。我が家にも毎日のように同じアパートや近所の子がきます。子どもたちには、いろんな文化の人たちと触れ合って欲しいと思っています。(構成・本間沙織)

長男の羅羽くんが通う地元の幼稚園に、ボルダリングの遊具をプレゼント=永崎さん提供