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店に入れば、そこはキューバ 駐日大使も「本場の味」

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キューバ料理のレストラン「ボデギータ」では、キューバについてのトークショーも毎月開かれている。キューバ国旗の前で話をするのは清野史郎さん=東京都世田谷区、平山亜理撮影

私が好きなのは、下北沢にあるキューバレストラン「ボデギータ」です。店に入れば、キューバの雰囲気。そこの豚肉料理は格別です。カクテルのモヒートもおいしいです。店では、ルンバなどの演奏を教えることもあります。

キューバのカクテル「モヒート」。ラムベースで、ミントとライムのさわやかな味わいが特徴だ=平山亜理撮影

ほかにも、キューバ料理の店はありますが、ボデギータは、日本とキューバとの関係で、いろいろな意味を持っています。店を経営するのは、清野史郎さん(58)の一家ですが、清野さんの父は昔、キューバで漁業指導をしていました。

1960年代から70年代にかけ、日本から多数の漁業関係者がマグロ漁の指導のため、キューバに住みました。空手をキューバにもたらしたのも、漁業関係者の1人でした。

キューバ大使館の2階のバーカウンター。壁一面にはハバナ市内の写真が飾られている=平山亜理撮影

昨年は彼らの貢献に感謝し、当時キューバにいた方々を集め、表彰しました。今年は、キューバに初めて日本人移民が来て、120年を迎える記念の年です。日本からの移民は大勢ではありませんでしたが、漁業や農業など様々な面でキューバに貢献してくれました。

1614年には、スペインに行く途中、慶長遣欧使節団を率いた支倉常長の一行が、キューバにも立ち寄っており、その時から数えれば404年の友好関係があります。

1959年にキューバ革命を成就した直後に、チェ・ゲバラが親善大使として来日し、広島にも訪れました。フィデル・カストロ元議長も、95年と2003年の2回来日。広島の平和記念資料館を訪問し、芳名録には「このような野蛮な行為を決して犯すことのないように」と書いています。03年は私も同行し、来日していました。

私は幼い頃、三船敏郎の出ている映画が大好きでした。日本とキューバの関係を、ますます深めていきたいと思います。

ボデギータ>下北沢駅に近い老舗のキューバ料理店。モヒートなどのカクテルを飲みながら、黒豆の煮込みご飯や豚料理などを食べられる。キューバ音楽の生演奏やトークショーなども頻繁にある。

キューバ大使館の外観=平山亜理撮影

キューバ共和国大使館>所在地は港区東麻布1丁目。1999年に目黒からこの地に移転。2階にはバーカウンターがあり、イベントでは、ここで、カクテルやコーヒーが出される。


(2018年4月20日付朝日新聞東京版掲載。肩書、年齢は掲載当時のものです)