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トルドー首相が訪れた明治神宮 カナダ大使館員も週末散歩

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観光客でにぎわう明治神宮=青木美希撮影

カナダ大使館広報部長の「私の東京」 日本に住む各国の大使館の人たちに、都内の好きな場所を尋ねる「私の東京」。夫婦で日本に赴任しているカナダ大使館の参事官(広報部長)パトリシア・オックウェルさんは、お気に入りの場所として、都心で広大な森に囲まれた明治神宮を挙げてくれました。(聞き手・青木美希)

私が好きなのは、明治神宮です。素晴らしい自然があり、歴史があります。壮大な鳥居をくぐって中に入ると、まちの真ん中にあるのに、とても静かな広い空間があり自然がたくさんある。週末に夫と歩いてリラックスします。仕事の忙しさを忘れて、新しいパワーをもらえる気がします。お客さんを連れて行くと、その規模に驚いて荘厳な雰囲気に感動する人が多いです。

私が育ったビクトリア市の家は周りが木に囲まれています。植物の種類も神宮とよく似ている気がして親しみを感じます。

本殿は建物として細部までとても美しい。木でできていて周りの自然と溶け合って静けさを強調している。私たち誰もが平和と調和を大切にする気持ちがあると思うので、それを表しているような建物だと感じます。

2016年には、トルドー首相が主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で来日した際に参拝しました。本殿とカナダのつながりができたように感じ、なお好きになりました。首相は絵馬に「カナダと日本の偉大な友情が我々の国と世界の人びとに恩恵を与えますように」と記しました。

ほかの絵馬にも、「平和」を願うメッセージがたくさんありました。この神社の雰囲気が人々に大きな視野を持つようにさせているのではないかと思います。平和というのは世界的にとても重要なメッセージ。カナダと日本の間でも共通のとても大切なメッセージで、そのために私たちはともに歩んでいるのだと思います。帰国前には私も何かを書いて奉納しようと思っています。

明治神宮>明治天皇と昭憲皇太后を祭神とする神社で1920年に創建された。45年に空襲で多くの建物が焼失、58年に現在の社殿が完成した。2020年に創建100年を迎える。現在の神宮内苑の大半はもともと畑で荒れ地のようになっていた。神宮の森は国民からの献木約10万本で人工的に造られた。

在日カナダ大使館>所在地は港区赤坂。日系2世の建築家レイモンド・モリヤマ氏が設計した。図書館には、「赤毛のアン」関連書籍やカナダに関する英語、仏語、日本語の書籍や留学関連の資料など約1万5千冊がある。

(2018年5月18日付朝日新聞東京版掲載。肩書、年齢は掲載当時のものです)