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母国のゲストを必ず連れて行く浅草 モロッコ大使が一押しする「私の東京」

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正月飾りで飾り付けられた浅草の仲見世通り。着物姿の観光客も多く見られた=2018年12月18日、東京都台東区、大賀有紀子撮影

東京へ来て、すぐに魅了された町は浅草でした。私自身、歴史に根ざす首都ラバトの出身ですので、歴史を見て、感じて、触れることの出来る場所というのは特に親しみを感じます。

文化でもモロッコとの類似性がたくさんあります。浅草寺などのお寺や神社は参拝前に手を洗いますが、私たちもモスクに入る前は身体を清めます。お香を焚(た)いているところも似ています。観光のためだけでなく、祈りに来る場所、という点もですね。

初めて三社祭を見たときのことは忘れられません。昔から変わらない衣装、音楽、動き、そして、何十万人もの人々を惹(ひ)きつけるエネルギーの素晴らしさに夢中になりました。以来、モロッコからのゲストを迎える折々に浅草訪問を企画しています。家族とも何度も訪れました。日本での観光を調べたとき、浅草は目にとまりますから、特別感のある場所です。モロッコからのゲストにも、強い印象を残すようです。

正月飾りで飾り付けられた浅草の仲見世通り=2018年12月18日、東京都台東区、大賀有紀子撮影


仲見世通りもいいですね。小さなお店が所狭しと並んでいます。お好み焼き、うなぎ、焼きそば……。どこででも食べられる日本の食文化ですが、浅草のあの雰囲気の中で、ふらりと店に入って食べる楽しさに匹敵するものはありません。モロッコのマラケシュという都市にも、ジャマ・エル・フナ広場という観光地があります。地元の人たちが開く屋台が連なり、ローカルな食べ物を気軽に安く食べられます。

モロッコは親日国です。数々の日本企業がモロッコで操業して雇用と富を創出し、モデル企業として認識されています。日本は「日出ずる国」と呼ばれますが、モロッコはアラビア語で「マグリブ(日の没する地)」。こんなところでも親しみを感じます。

<浅草> 浅草寺の門前町を中心に発展してきた、日本を代表する観光地。特に日本で最も古い商店街の一つである仲見世通りは、雷門から浅草寺までの全長250メートルに飲食店や土産物屋が軒を連ね、国内外の観光客が訪れる。江戸時代初期から中期にかけ、浅草寺が清掃を課す代わりに付近の住民に境内や参道への出店を許可したことが始まりと言われている。

(2018年12月21日付朝日新聞東京版掲載。肩書、年齢は掲載当時のものです)