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「もはや日本食」!? 「だしカレー」が目指すカレー文化の革新

PR by 「だしカレー」プロジェクト 公開日:

今回、開発された「だしカレー」とは、日本食の基本であるだしのうまみを独自のアプローチで際立たせた新しいアプローチのカレー。レトルトのパッケージで、だしは「にぼし」と「さば」の2種類があります。

記者も実際に「にぼし」味を試食。食べた瞬間、「むぉっ、何だこれは、新しい!」と、思わずうなりました。日本人にはおなじみの煮干しの濃厚な苦みが口に広がったかと思うと、そこにスパイスの華やかなテイストがからまってきて、絶妙なハーモニーを奏でる。口の中でサムライとヨガの行者が「ボリウッド映画」風のダンスを踊っているようです。

プロジェクトの中心人物はグルメブロガーのカレーマンさん(41)。名前からターバンを巻いた怪人物を想像しましたが、取材に現れたのはいたって普通の男性。本業は広告業界で働くサラリーマンだそうです。カレー屋をはじめとした様々な飲食店を食べ歩いて紹介するブログを運営しながら、カレー店のレシピ作成やご当地カレーのプロデュースなども行ってきた、カレー界の”知る人ぞ知る有名人”です。

「だしカレー」について熱く語るカレーマンさん

ラーメン文化の創造性を、カレーにも広げたかった

なぜ、新ジャンルのカレーを開発しようと思ったのでしょうか。そこには、日本の食文化に対する「思い」があったといいます。カレーマンさんはこう語ります。

「私は元々、クリエイティブで革新的な食文化に興味があります。そうした点で、今の日本でカレーより先進的なのはラーメンです。近年、日本のラーメンは従来のだしやご当地などの分類に加え、創作的な新しいトレンドが次々と登場し、国際的にも高い評価を得て海外に有名店が次々と進出。いまや『日本食』の顔とも言える存在になりました。博多のとんこつラーメンなど、地域ごとの文化と結びついたご当地ラーメンも無数に生まれているのは皆さんよくご存じのことと思います。

一方のカレーは、外国にルーツを持ちながら日本独自のかたちにアレンジされたという点では同じなのに、ジャンルはインド風、タイ風、欧風など旧来の大ざっぱな区分が一般的で、ラーメンほど日本独自の進化をしたり、年々トレンドが生まれたりはしていません。もっと革新的なカレーがどんどん出てくる世の中になればいいなと思ったのが、開発のきっかけです」

カレーマンさんによれば、だしをとるカレー自体はこれまでも存在しました。日本のそば屋のカレーや、札幌スープカレーなどです。中でも開発のヒントになったのは、大阪スパイスカレーだといいます。

「大阪スパイスカレーは、だしをとる文化がある南インドやスリランカのカレーを原型として生まれた新ジャンルで、近年、様々なバリエーションが生まれて急速に進化しています。こうしたカレーの新たな可能性を全国に伝えて、それに触発されたご当地カレーがもっと出てくるようになってほしいと思いました。でも、他地域の人は大阪までめったに食べにいけないし、大阪をそのまま真似をしても面白くない。それで、だしが尋常ではないほど効いたオリジナルのカレーをつくってみよう、というアイディアに至ったんです」

カレーマンさんは、「MENSHO」など国内外に9店舗を展開するラーメンクリエイターの庄野智治さん、カレーに関する情報発信をしながらスパイス貿易も行っている「東京スパイス番長」のシャンカール・ノグチさんの二人の力を借りて、「だしカレー」の開発に乗り出しました。

開発に携わったラーメンクリエイターの庄野智治さん(左)と、「東京スパイス番長」のシャンカール・ノグチさん

「UMAMI」ブームを追い風に「日本発カレー」で海外進出も

 カレーに合うだしを求めて6種類のだし(2種類のにぼし、さば、きのこ、えび、本ビノス貝)で試作品を作成。スパイスとのバランスなどを試行錯誤した結果、にぼしとさばの2種類のカレーが完成したそうです。

「どのだしでも美味しいカレーをつくることはできましたが、今回は総合的なバランスなどを考えて、2種類をレトルトでパッケージ化しました。ミキサーで砕いただしをそのまま使っているので、だしそのものを食べているような感覚があります。これまでのカレーの概念をくつがえす、極めて日本的な味。最近はヨーロッパなど海外でも日本食の『DASHI』や『UMAMI』がブームになっているので、”海外進出”も夢ではないと考えています」

だしカレーのパッケージ。「さば」(左)と「にぼし」の2種類の味がある

8月17日から始めた開発のためのクラウドファンディングでは、当初の目標としていた100万円の調達を開始後わずか2日間で達成し、さらなる広がりを目指しているとのこと。完成したパッケージは一般の店舗などでは販売されず、クラウドファンディングの出資者に、金額に応じた個数がリターンとして送付されます。なぜ、このような手法を選んだのでしょうか。

「今回のプロジェクトの最大の目的は、全国の人々にカレーの可能性についての気づきやインスピレーションを与え、日本のカレー文化が進化するきっかけをつくること。単純に一部の店舗で販売するよりも、クラウドファンディングとSNSを組み合わせて発信をしたほうが、多くの人に情報が届くと考えたんです」

カレーが「日本食」としてより進化し、やがて世界を席巻する。「インド人もビックリ」なそんな未来が、果たしてやってくるのでしょうか。