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赤く染まった「デスマップ」 野生保護区で遺体が急増

World Now

NGOヒューメインボーダーズのホームページよりGLOBE作成

作っているのは、米アリゾナ州ピマ郡検視局と、移民のために約50の水タンクを設置するNGOヒューメインボーダーズ」。移民とみられる遺体が見つかった場所や日時、状態、性別、氏名などの詳細をデータベース化し、赤い点で示した地図をネット上で公開している。私はNGOの給水活動に同行した後、この州ツーソンにある事務所を訪ねた。

代表のダイナ・ベア(66)はデスマップを前に切り出した。「この2年間で最も気がかりなことは、移民がどんどん西側の奥地に向かう傾向があることです

とりわけ増えているのが、過酷な自然環境のカベッサ・プリエタ国立野生保護区。3年前まで遺体は年に数体だったが、今年は10月末までに31体に達した。デスマップを年ごとに比べてみると、遺体を示す赤点が集中してついに黒色になり、山麓に沿って点々と並んでいた。ベアは「美しい場所ですが、最も死の危険が高い地域です。水は険しい山の中にしかなく、衰弱した移民には登れません」と指摘した。

周辺に二つ置いていたタンクを七つに増やすなど、対応を急いでいる。「壁と警備隊を前に、絶望した移民は『より遠くに行けばつかまらない』と思ったのでしょう。でも、死ぬ危険もはるかに高いのです」

砂漠で見つかる遺体が急に増え始めたのは2000年のことだ。ピマ郡でそれまで年に十数体だった遺体が、68体に急増した。キリスト教や仏教など地元の宗教指導者が対応を話し合って、ヒューメインボーダーズを創設。移民のために水タンクを置く活動を始めた。

その後も年に百数十体の遺体の発見が続き、0017年の累計で約2800体に達している。

砂漠で何が起きているのか。

実際に遺体と向き合ってきたピマ郡検視局長のグレゴリー・ヘス(46)によると、死因の多くは異常高熱や熱射病、脱水症、そして冬場には低体温症。こうした「過酷な自然」にさらされたことによるものが4割を占める。

一方で、一番多いのは「判別不明」だという。

「ここはアリゾナです。あまりに暑く、乾燥し、コヨーテや鳥もいる。ものすごい早さで白骨化が進み、34週間もあれば、ほぼ骨だけになってしまうのです」

(敬称略)