Peak Millennial? Cities Can't Assume a Continued Boost From the Young
(1月23日付、ニューヨーク・タイムズ紙)
この記事は、米国の戦後ベビーブーマーの子どもたちを指すMillennials(ミレニアル世代)に注目したものだ。この世代は都会の生活を好み、都市のstreetscape(街並み)を変えるほどの一大勢力となった。しかし、その都会への移住がpeak(頂点)を過ぎ、これまでのように街の活性化をboost(後押し)する役割を期待するのは難しいと、見出しはうたっている。
Millennialsとは、1980年代前半から2000年代前半までに生まれた青年、壮年で、米国では最も層が厚い。全米の主要都市はこの10年余り、ホワイトカラーの労働者に成長したこの世代向けのアパートやpricey(値段の高い)コーヒーショップが立ち並ぶbustling(にぎやかな)地域を生み、街並みがtransformed(変容した)と筆者は指摘している。いわゆるgentrification(貧困区域に中流層が流入して市街地が再編、高級化すること)だ。
しかし記事によると、サンフランシスコ、ワシントン、デンバー、ニューヨークなど多くの大都市で、高騰していた家賃が横ばいか、値下がりし始めた。若者の流入をあてにしたアパートがglut(供給過剰)になったからだ。問題は、この世代が年をとっても都会に住み続けるかどうかだという。親の世代同様、大きな家やより良い教育環境を求めて郊外に移り住むようなら、各地の都市政策は大きな変更を迫られる。若者の都会へのflood(殺到)がunabated(衰えない)ことを前提に建てられた何千億円分もの物件の行方にも多大な影響を与えるだろう。
ミレニアル世代は親の世代よりも都会の生活にenamored with(夢中になっている)という声もある。住宅ローンの頭金をためる最中で身動きがとれない人々や、子づくりを先送りして都会生活を延長している人々も少なくない。だが記事の筆者は、この世代がリーマン・ショック後の不景気の時代に社会人になったことに注目する。欲しいものと手に入るものの違いが身に染みている世代だというのだ。だから、いずれ経済的な理由で都会を離れる選択をするだろうと指摘するが、果たしてどうだろうか。