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ウクライナ侵攻で世界的な食糧供給危機、肥料会社が警告

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キエフのHrebeni村で収穫された小麦
キエフのHrebeni村で収穫された小麦。2020年7月撮影(2022年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

ウクライナとロシアは合計で世界の小麦輸出の約29%、トウモロコシ輸出の19%、ひまわり油輸出の80%を占めている。それだけでなくロシアは窒素肥料の生産に不可欠な天然ガスや原料も輸出。ヤラによると、窒素とカリ、リン酸という肥料の3大原料は欧州向けの25%がロシアから供給されているという。

ヤラは「地政学的状況が均衡を失い、欧州での食糧生産に使われる原材料の最大の調達源は利用が限られつつある上に、短期的な代替調達源もない」と説明。結果として世界人口のうち最も恵まれた人々しか十分な食糧を得られなくなる可能性があるとした。食糧価格が高騰すれば同社に短期的に増益効果をもたらすとしても、食糧供給システムが持続不可能となり、長期的な奪い合いの闘争につながると警告した。

その上で「だからこそ、国際社会が団結して世界的な食糧生産の確保と、ロシアへの依存を減らす取り組みを進めていくことが重要になる」と強調した。ただ、現在取り得る選択肢の数は限られているとも述べた。

国連世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長も先週、ウクライナで戦争が始まったことでWFPの食料支援能力に大きな影響が生じると述べ、食糧と燃料、輸送費の高騰への懸念を表明している。

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