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ロシアがウクライナ軍事攻撃、防空システム「制圧」 東部で越境

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ドネツク市郊外の路上で目撃された軍用車両
2月24日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナでの特別軍事活動を軍に承認した。これを受け、ロシア軍は首都キエフや東部の都市でミサイルなどによる攻撃を行ったもようだ。写真はドネツク市郊外の路上で目撃された軍用車両。23日撮影(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko)

キエフでは明け方にサイレンが鳴り響いた。ウクライナのレズニコフ国防相は、東部の部隊や軍司令部、飛行場がロシアからの激しい砲撃を受けていると明らかにした。

ゼレンスキー大統領は、ロシアが国内インフラや国境警備拠点にミサイルで攻撃を行い、多くの都市で爆発音が響いたと述べた。また、国内全土に戒厳令を発令した。

内相顧問は、ロシア軍の砲撃で少なくとも8人が死亡、9人が負傷したと述べた。

ロシア国防省はウクライナの軍事施設や防空、空軍を高精度兵器で標的にしたと表明。ウクライナの都市は攻撃対象にしていないとしている。

ウクライナ国境警備隊によると、ロシア軍はロシア、ベラルーシ、クリミアから攻撃を仕掛けた。ロシア部隊はその後、国境を越え北部チェルニヒウ、北東部ハルキウ、東部ルガンスクの各地域に入ったという。

インタファクス通信によると、ウクライナ東部の親ロ派は、ロシアが独立を承認したルガンスクとドネツク地域の制圧を目標としている。

■プーチン氏「脅威から防衛」

プーチン氏は国民向けテレビ演説で、ウクライナからの脅威から自らを守る以外に選択肢がなかったと強調。「ロシア連邦の市民を含め、市民に対する多数の流血の犯罪を犯した人間を裁判にかける」と述べた。

また、外部勢力が行動を妨げようとするならすぐに対応し、ウクライナの非軍事化を目指すと表明。「わが国を直接攻撃すれば、敗北と悲惨な結果につながるということを誰も疑うべきではない」とけん制した。

バイデン米大統領は、ゼレンスキー大統領と電話で協議し、ロシアのウクライナ侵攻に対して国際的に結束して非難するため米国が取っている措置を説明したと表明。米国と同盟国がロシアに厳しい制裁を科すとともに、ウクライナへの支援と援助を継続すると述べた。

各国はロシアへの追加制裁を検討している。

中国外務省報道官は24日の定例会見で、ウクライナ情勢に関わる各国に自制を求めた。ただロシア軍の行動について、海外メディアが表現するようなウクライナへの「侵攻」ではないとの認識を示した。

<国連でロシアに非難相次ぐ>

国連安全保障理事会は23日、ウクライナ情勢を巡り緊急会合を開催した。グテレス事務総長は、5年以上に及ぶ在任期間中で「最も悲しい瞬間」だと記者団に発言。「人道のため」に戦争をやめ、ロシア軍を撤退させるようプーチン大統領に訴えた。戦争はウクライナに壊滅的な結果をもたらし、世界経済に広範な影響を及ぼすとも指摘した。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「平和を求める理事会が招集されているさなかに、プーチン大統領は理事会の責任を完全に軽視し、戦争のメッセージを送った。これは重大な緊急事態だ」と批判。英国、フランス、ウクライナもロシアの攻撃は正当化できないなどと強く非難した。

一方、ロシアのネベンジャ国連大使は、国連憲章51条に基づく自衛権の行使だと説明した。

■原油先物100ドル突破

原油先物価格は、ロシアの侵攻開始を受けて2014年以来初めて1バレル=100ドルを突破した。欧州大陸での戦争が世界のエネルギー供給停滞につながるとの懸念が強まった。

北海ブレント先物は2014年8月以来の高値となる103.32ドルに上昇した。米原油先物も98.10ドルに上昇した。

一方、ロシアルーブルは対ドルで過去最安値に下落、取引が一時停止された。

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