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多様な業界の知見を生かした「DX」で社会に変革を

PR by 三菱商事 公開日:
左からMC Digitalの久保長礼氏、野村実広氏、中田勇介氏、堀内隆(GLOBE+編集長)

── DXの推進に向けてMC Digitalがどのような事業に取り組んでいるのかお聞かせください。

久保長  MC Digitalは、三菱商事グループが接するあらゆる業界への高度なDX支援機能の提供を通じて、業界全体ひいては社会課題の解決にまで貢献することを目指しています。個社のビジネス改善も実施していますが、中でも産業構造にまで変革を起こしうるようなスケーラブルなDXを意識しています。現在、商品の需要予測や車両の配送経路の最適化、与信やマーケティング分析など、携わっている領域は多岐にわたります。また、「変化に強いシステムや成長し続けることのできる組織を構築すること」もDXを進める上で重要な点と捉えています。
中田 物流を例に説明すると、コロナ禍で明らかになったように、物流は需要と供給の変動による影響を受けやすい業界です。ただ、それに対応して配送経路を作り変えるのは、従来は困難とされてきました。積み込みや荷下ろしの拠点、車両やドライバーの数など考慮すべき条件が膨大にあるためです。私たちは、機械学習と数理最適化を組み合わせることで、需給の変動に対応した最適化に成功しました。企業の競争力向上につながることに加え、燃料削減による二酸化炭素排出量の削減、ドライバーの労働環境の改善にも貢献できると考えています。このような成果が得られたのは、ひとえにチームにいる各分野のトップレベルの人材が、毎日議論し、切磋琢磨(せっさたくま)しながら顧客の課題解決に徹底的にコミットしたからだと思います。

久保長礼氏(MC Digital)

── 不確実な時代、臨機応変に課題に対応するには、やはりデータの利活用が不可欠ですね。

中田 データは最適化や予測、シミュレーションにもちろん重要です。一方で、例えば車両の配送経路などは、現場での長年の蓄積によってできた“秘伝のタレ”のような側面もあるんです。データからは見えないそういった知見を取り入れることで、さらに良いソリューションが生まれることもあります。私も物流企業の方々に頻繁にヒアリングしたり、積み込みの現場を見に行ったりしています。
久保長 それぞれの産業に精通したスペシャリストの方々の知見と、我々のようなエンジニアやデータサイエンティストの知見を組み合わせることが、DXの実現には不可欠だと思っています。

中田勇介氏(MC Digital)

──三菱商事がDXに取り組むことは、社会に与える影響も大きいですね。

野村  三菱商事が深い関わりを持つ多種多様な産業の「全体最適化」を図ることによって、社会に大きく貢献できると考えています。例えば、フードロスの解決に向けて、小売・卸・メーカーそれぞれが最適化するよりも、サプライチェーン全体で最適化した方が、個別最適化では成し遂げられない相乗効果が生み出せます。なお、データが縦割りで連携されずにいる「サイロ化」は全体最適化における課題の一つですが、各企業で分断されていたデータを三菱商事が仲介役となって結びつけることで、新たな価値を見いだせた事例もあります。
日本の魅力は、四季や地域の特色などのバリエーションの豊かさにあると感じています。しかし、この選択肢の多さは、DXの課題をより複雑にしている側面もあります。日本で長年事業を続けてきた三菱商事だからこそできるDXを推進していきたいです。
久保長  DXの成功事例をほかの業種へ「横展開」できることも商社の強みだと感じます。これまで数多くのDXプロジェクトを推進してきた中で、業種は違っても抱えている問題の本質は同じだというケースも見つかってきました 。日本のビジネスを今後さらに変革していける大きな可能性を感じています。

野村実広氏(MC Digital)

──MC Digitalの社員数は約30人、平均年齢は20代後半と大変若く、また世界で通用するトップレベルのエキスパートが集まっていますね。

野村 MC Digitalは2019年に設立された三菱商事のスタートアップ企業で、皆が「会社をともに育てていこう」という気概を持って取り組んでいます。平均年齢は若いですが、Nature Portfolioが発行する学術雑誌に論文が掲載されたメンバーや、国際情報オリンピックの金メダリストなど、世界に通じる人材が集まっており、様々な領域の高い技術力を実産業に生かすべく、日々議論し、互いに尊敬しつつ、サポートし合うカルチャーがあります。アジャイル(迅速)なアプローチは特にテック企業に不可欠ですが、MC Digitalにはその文化が根付いています。
久保長 私たちがお仕事をさせていただく上で重視しているのは、課題解決に挑むチームとして、社内はもちろん社外のクライアントとの間にも「信頼関係」を築くことです。そのために自分の考えはできる限りオープンにしますし、密なコミュニケーションを心掛けています。DXの実装、すなわちビジネスを本当に現場から変えていくためには、技術者が最適な解を出すだけでは不十分です。チームの一員として私たち自身を信頼していただく。そんな関係づくりをこれからも大切にしていきたいと思っています。

→次回は、東京大学未来ビジョン研究センター客員教授の西山圭太氏とDXのいまと未来を語り合います

 

【座談会 ダイジェスト動画】