WHO職員ら83人が性的虐待か コンゴ民主共和国でエボラ対応中
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朝日新聞デジタル掲載
コンゴ民主共和国でエボラ出血熱の対応をした世界保健機関(WHO)のスタッフらが女性や少女を性的に搾取・虐待していた疑いのあることが、WHOの独立委員会の調査で28日明らかになった。疑いがある83人中21人がWHOのスタッフだったという。テドロス事務局長は「弁解できない」と謝罪し、再発防止のため組織改革に取り組む意向を示した。
委員会が同日公表した報告書などによると、2018~20年、同国でエボラ出血熱の対応をした国連機関や団体などの同国や外国人のスタッフのうち83人が、仕事を与えるのと引き換えに女性や少女に性的関係を強要するなどした疑いがある。21人はWHOのスタッフで、ほとんどが短期雇用だったが、WHOは今まで雇用を続けていた4人との契約を打ち切った。当時事態に気づいていたWHO高官もいたとされる。
テドロス事務局長は報告書の発表会見で、被害者に向け「あなたたちに奉仕し、守るはずのWHOに雇われた人たちがあなたたちにしたことに対し、申し訳なく思います」と陳謝した。疑いのある人たちに説明責任を果たすよう求め、被害者を支援すると述べた。
テドロス事務局長は、性的搾取・虐待の報道を受け、昨年10月、国際的に知られるコンゴの人権活動家とニジェールの元外相の2人を独立委員会の共同代表に指名。委員会は関係者から聞き取りを進めていた。(ローマ=大室一也)