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五輪選手へ相次ぐ中傷 人格否定、被爆地からかう言葉も

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朝日新聞デジタル掲載
男子個人総合決勝、最終種目の鉄棒の演技を終え、ガッツポーズする橋本大輝=2021年7月28日、有明体操競技場、細川卓撮影

 五輪出場選手へのSNSでの誹謗(ひぼう)中傷が相次いでいる。度を超えた批判が選手を疲弊させ、選手自らが中傷をやめるよう訴える事態に。日本オリンピック委員会(JOC)や国際オリンピック委員会(IOC)は対策に乗り出し、SNS上でも選手を守ろうとする動きが広がっている。

 体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝選手(19)は、決勝翌日の7月29日、自身のインスタとツイッターに文章を投稿した。

 「祝福のメッセージも寄せられ、多くの人に応援してもらっていると感じ、うれしい」とつづる一方、「SNSでの誹謗中傷とみられるメッセージもあります」と明かした。採点結果への批判が寄せられていたことから自身の考えも説明し、「誹謗中傷とみられる行為を行う人が少なくなることを願っています」とした。国際体操連盟(FIG)は同日、採点規則を示したうえで「採点は公正で正確だった」と声明を出す異例の対応をした。

 サーフィン男子で銀メダルを獲得した五十嵐カノア選手(23)にも「審判を取り込んだ」などの中傷が多数寄せられた。「広島と長崎」という言葉を使って被爆地をからかう言葉も見られた。

■国際体操連盟が異例の声明

 五十嵐選手はツイッターを更新し、「僕は常に相手に最大限の敬意を払っている。自分がコントロールできないことについて悪口を言いたがる人には我慢できない」と訴えた。だが、中傷する投稿はやんでいない。

 卓球の混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼選手(32)は7月31日、自身に寄せられた中傷コメントについて、関係各所に連絡して対応するとツイッターで表明した。「死ね」「人間やめろ」などの投稿が相次いでいたという。

 水谷選手のマネジメント会社は取材に対し、五輪期間中に中傷がエスカレートしていることや、若い選手らも被害を受けていることを水谷選手が案じ、行動したと説明した。

 タレントやアーティストに対するものも含めSNS上での中傷がやまない現状を放置したくないという思いも水谷選手にあるという。

 一方、情報サイトの編集者が匿名アカウントで、女子テニスの大坂なおみ選手(23)に対して差別的な投稿をしていたことも発覚した。この編集者に業務委託していた徳間書店は「人権侵害を伴う不適切な投稿」と謝罪し、契約を解除したとホームページで公表した。

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