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厚切りジェイソンが語る「Why スモールスタートで挑戦しないの?」

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■自分のベースとなるものがあれば、失敗は怖くない

――あらためて考えると「外国でお笑い芸人になって成功する」のは、すごいチャレンジです。ご自身はどのように捉えていますか?

すごいだろー(笑)。

でも、順番が逆なんですよね。お笑いをやるために日本に来たわけではないし。アメリカにいたら、たぶんそこでも同じことをやっていたから。たまたま日本にいて目の前に楽しそうなことが現れて、ちょっとやってみようかという軽い気持ちだったので。そんな気持ちでお笑いの養成所に通って、テレビにちょっと出るようになったけど、ちゃんとお笑いを仕事にしようという気持ちにまだ切り替えることができていないのかもしれない。僕の場合は大したチャレンジではなくて、「何かやりたいことがあれば、とりあえずやってみてもいいんじゃない」ぐらいのチャレンジだったと思っています。

――芸人は定職を捨ててチャレンジする、というのが一昔前のイメージです。ジェイソンさんは「二足のわらじ芸人」のパイオニアでは?

お笑い芸人が何でそういうイメージになったのかは、わかりませんけど。僕が思うには、ちゃんと社会経験があって、いろんな専門知識があった方が、他の人ができない分野でも活躍できて、この世界でも価値ある存在になれるんじゃないかな。

――新しいことに挑戦するためには、仕事なり資産なりの環境を整えておいた方が良いのでしょうか?

リスク管理という意味では、自分の基礎となるものをつくっておくと、挑戦しやすくなるんですよね。新しいことをやってみて完全にダメになっても、次の挑戦ができる。自分のベースとなるものがあれば無敵というか、強いですよね。

失敗してもいいという前提でいろんなことをやってみれば、いつかは成功するものを見つけられるかもしれない。それに出会うまでは、新しいことを次から次へとやればいいんだから。僕の場合はITの仕事をやっていて、たまたま早い段階でお笑いをやりだしたら、こうなっちゃったんだけど。

――「チャレンジと、安定した生活。どちらを選ぶべきか」という質問をしようと思っていたのですが、その問い自体が無意味になりそうですね。

なんで一つだけ選ばないといけないのか、僕にはわからない。「仕事は一つだけのもの」「自分が集中できることは一つだけだ」と思い込んでいる人は多いみたいだけど……。それは成功しにくい状況に自分で追い込んじゃっている感じがします。

――逆に我々日本人が米国に渡って「アメリカンドリーム」をつかむ場合には、日本での安定した生活を捨てて挑戦している印象もありますが……。

なんで捨てちゃうの? それは、アナタが間違っているー!(と決めポーズ)

捨てない方が成功する可能性は高いに決まっているでしょ、もったいない。「アメリカンドリーム」というのは、「最初から何も持っていない人でも、誰でも成功できる」という意味。何も持っていないというのは、前提条件ではないんです。

「何かを捨てないと頑張れない」という人は、やりたくないから変な言い訳をしているんだと思いますよ。スモールスタートでいいんです。最初から大きくチャレンジする必要はないから、とりあえずやってみようよ、と思いますね。

■正解を続けたクイズ番組で、最後にリタイアした理由

――会社員と芸人のどちらか一つが本業というわけではなく、ジェイソンさんの肩書は何になるのでしょうか?

「イケメン俳優・厚切りジェイソン」でいこうかな(笑)。

でも、あえて特定の肩書を付ける必要なんてないと、僕は思うんだけどね。一つのことしかやらない人だと宣伝すると、それ以外のこともできるのに、自分で制限してしまうかもしれない。肩書というよりは「こういうこともやっています。こういう分野に興味があります」という程度のものでいいと思うんです。

――イケメン役ではなかったと思いますがドラマにも出演されていますし、教育番組やコメンテーターなど、幅広い分野のお仕事で活躍されています。

最近はテレビ番組で山に登ったりベンチプレスをやったりして、「えっ、こういうこともやるんですか」という驚きもあります。まぁ楽しいですけどね。

――8月に出演したクイズ番組では、全問正解を続けて、100万円の賞金が300万円になる最終問題で「ドロップアウト(挑戦を断念)」したことが話題になりました。番組初の出来事だとか。

そこまでは選択問題だったのに、最終問題になると急に難しくなるんですよね。例えば六つの質問にそれぞれ「○」「×」を決めて、全部正しくないと不正解になって。確率論で考えたら、最終問題でドロップアウトした方がいい。僕は最初からそうするつもりでした。マネジャーたちは「最終問題まで行けないだろう」と思っていたらしいんですけど(笑)。

――テレビだと「最後の問題も挑戦するのが当然だ」というお約束の雰囲気がありますよね。日本的な同調圧力なのかもしれませんが……。「え~!」と驚いていた出演者の小学生たちへの一言が印象的でした。

その時は「リスク管理も大事」と言いましたね。

僕はアメリカにいた頃、元になった番組「Are You Smarter than a 5th Grader?」を見ていましたよ。回答者が一般人参加というのもありますが、途中でドロップアウトする人は普通にいました。日本だからそういう空気なのかはわからないけど、アメリカでは人の目を気にする人は少ないと思います。

――ひと昔前の日本ならリタイアは批判の対象になったかもしれませんが、今回はネットでも、ジェイソンさんが自分の意思で決断したことに好意的な意見が寄せられています。日本社会も少しずつ変わってきたのでは?

それも、僕にはあまり直接関係なくて……。周りが納得してもしなくても、そこでドロップアウトして100万円を持ち帰るつもりでいたんですけどね。

■将来の自由を買うための資産運用

――クイズ番組出演時のような合理的な金銭感覚は、アメリカで子どもの頃に養われたのでしょうか?

僕のお父さんは、ボードゲームの「モノポリー」で使うお札を使って、話をしてくれました。仮に100万ドルが手に入ったら、今全部使い切るのと、毎年6万ドルの利子が入ってくるのと、どちらがいいのかと。資産運用の話ですよね。中学校でも数学の授業で、株を買った「複利」のシミュレーションをやったのを覚えています。できるだけお金を使わないで増やそうという考えは、子どもの時からずっとありました。

――資産運用を始めたのも早かった?

資産運用というと大げさだけど、入社1年目から制度を利用していただけです。日本のような公的年金がない代わりに、自分で株式や投資信託を選ぶと会社も同じ額を拠出してくれる「マッチング」の制度があって。それを使って資産運用をやらないと、会社が出してくれるはずのお金がもらえずに損してしまうから、ほとんどの人がやっていました。

――将来に必要な資金を自分の力で確保するという意識が、日本よりも高いのでしょうか?

日本では昨年「老後に2000万円が不足する」と話題になっていましたが、アメリカでは1億円が必要だといわれています。今60歳ぐらいの人がそうなので、働き始めたような人はもっと必要になるでしょう。資産運用をしなければ、リタイアできずに老後もずっと働くことになります。でも代わりに定年もなくて、65歳になったから退職するのではなく、お金が十分に集まるまでは働き続ける。十分に資産があれば、早期にリタイアすることができるんです。収入がなくなったとしてもやっていけるように、僕は将来の自由を買うために資産運用をしています。

――順調に資産運用を続けられているので、もう将来の心配はなくなったのでは?

もう大丈夫かな……。心配がなくなっても、別に働くのをやめる必要はないけど、安心感はあります。命を削ってまで仕事を頑張らなくてもいいという(笑)。本当にイヤなことだったら断れますし、やりたいことをできて、「この仕事を好きだからやっている」という気持ちになれるんですよね。

――将来の見通しが立たないと、働く最大の目的がお金のためになってしまいますよね。

多くの人がそういう状況になってしまうのは、僕はイヤですね。お金はとても大事ですし、稼ぐことが大変なのもわかるから、ちょっと複雑な気持ちになります。だから資産運用は、若い時から少しずつ、スモールスタートでいいから続けてほしいなと思いますね。楽屋でも、スタイリストさんやヘアメイクさんに資産運用の話をするんです。