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さよなら、ジーンズ。パンデミックがもたらす、快適さ重視の時代

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新型コロナウイルスの感染が拡大する中、在宅勤務をしながら、外でオンライン会議に参加している男性=ロイター

Goodbye, jeans. The pandemic is ushering in an era of comfort.

7月28日付 ワシントン・ポスト紙

私はオンライン会議で特にきれいに映るシャツを3枚持っている。コロナの影響で在宅勤務をする中、その貴重なシャツを毎日、一日中着るのではなく、会議があるときだけ着用して、それ以外のときはもっと快適なTシャツに着替えている。そうしているのは私だけかと思ったら、最近アメリカでは「Zoom shirt」という言葉がはやっていると聞いた。やはり多くの人が同じことをしているのだと知った。

このようにパンデミックがアメリカ人の洋服選びに大きな影響を与えている。洋服の購買傾向が変わって、ヒットしている商品もあれば、売り上げが下がって打撃を受けている企業もある。

この記事が紹介しているのは、より快適な洋服にusurped(その地位を脅かされている)もの、ジーンズである。実はジーンズの売り上げは過去5年間伸び悩んでいたが、今回のパンデミックは特にtake a toll(大きな被害をもたらした)。4月以降、複数のジーンズメーカーが倒産し、ジーンズの老舗であるLevi Straussの売り上げも暴落している。

ジーンズの問題点は、あまり快適ではないことや、長く座っていると特にきつく感じることにある。記事ではジーンズを日常的にはかなくなった数人がインタビューを受けているが、そのうちの一人はジーンズがcardiovascular prisons(心臓血管にとっての刑務所)だと言い、もう一人は「足を開放する時が来た」と述べている。ジーンズをはかなくなり、for good(永遠に)デニムの洋服をswear off(断つと誓う)人もいるようだ。

ジーンズを着なくなったのは、服に対する市民の優先順位が変わった証拠だといえる。パンデミックの中、多くの人々からsartorial concerns(ファッション上の悩み)がfall by the wayside(脱落して)いった。忙しさ、ストレスの多さ、外出する機会の減少に加え、他の人の目に触れるのはほとんどオンラインだけなので、ウエストより下は映らない。そうしたことが、comfort(快適さ)を何よりも大切にする時代のushered in(到来を告げた)。日中パジャマ姿で過ごす人や、上にはZoom shirt、下にはヨガ・パンツ、スウェット・パンツ、バスケットボール・パンツなどの部屋着を着る人が増えた。

ジョガーパンツやヨガ・パンツのようにスポーツにもレジャーにも着られる「athleisure」を提供するブランドの売り上げはuptick(上昇)傾向が見られる。今後しばらくは多くの人が自宅勤務を継続すると思われるので、ジーンズのメーカーに復調の兆しがすぐに訪れるとは言い難い。