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警察の蛮行が終わらなければ出口が見えない、アメリカの抗議デモ

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米ミネアポリスで白人警官が黒人男性を暴行して死亡させた事件に抗議するニューヨークのデモ隊と警察官=ロイター

“America’s Protests Won’t Stop Until Police Brutality Does”

6月1日付 ニューヨーク・タイムズ紙

6月に全米で広がった抗議デモの発端は、黒人男性ジョージ・フロイドが警察官によって殺された事件である。しかし、その前提には、同じように警察官によって殺害された丸腰の黒人の例が後を絶たない現実がある。黒人のアメリカ人が警察官にbrutalized(残忍に扱われ)たり殺されたりしても、その警察官が自分の行動に対してface consequences(報いを受ける)ことは稀だ。フロイドが亡くなるまで首を膝で圧迫し続けたデレク・ショーヴィン被告は過去18件の苦情を受けていた。

この社説は、デモをしている人々の動機を「a rage born of despair(絶望から生じた憤怒)」と説明する。彼らは憲法で保障された生命権、そして適正手続きなしにそれを奪われない国を望んでいる。不正を働く警察官の放置ではなく、解雇を求めている。問題解決のために、この社説は複数の論点を挙げている。use-of-force(武力行使)を抑制していると警察官による発砲や殺人が少なくなるので、例えば、武器を使用する前にde-escalation(緊張緩和)させる努力を義務づけるべきだという。透明性と説明責任の徹底も推奨している。それらが確保されていない現状では、悪徳警察官はwith impunity(お咎めもなく)権力を悪用し続けることができる。警察を過剰に保護する法律の見直しも呼びかけている。近年、警察が制圧用の武器を大量に購入したことが過激な行動につながった。それも変えた方が良いという。こうした改革は速やかに実行できる。改革を実行することで、警察と市民はantagonists(敵対者)ではなく、collaborators(協力者)になれるのではないか、と指摘する。

言及されているキング牧師の言葉には説得力がある。「暴動は声なき者の声である。アメリカが正義をおろそかにする限り、暴力や暴動が繰り返し起こるだろう」。50年以上前の言葉なのに、今言われたとしても不思議ではない。それほど、この間のアメリカの根本的な問題は変わっていない。社説は、富や住宅、雇用と教育、そして法律の執行の分野で不平等が残っていると指摘する。今回の抗議デモの結果、それらが遂に変革することを期待したい。